平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問12 解説 意匠法
意匠法における意匠の説明として,最も適切なものはどれか。
- ア 自然法則を利用した技術的思想に基づいて発明したもの
- イ 思想又は感情を文章や音,絵などで創造的に表現したもの
- ウ 文字や図形,記号,立体的形状などで表した商品のマーク
- エ 物の形状や模様,色彩などで表した商品のデザイン ✓ 正答
解説
意匠法における意匠とは、一言で言えば製品の「外観(デザイン)」のことです。選択肢の中から、見た目や形に関連する言葉が含まれているものを選び出すのが正解への最短ルートです。
デザインを保護する意匠法と関連法規
知的財産権には、創作活動やビジネス上の信用を守るための様々な法律があります。ITパスポート試験で頻出する四つの法律を、保護対象の違いで整理することが重要です。
- 特許法:発明(高度な技術的アイデア)を保護する
- 意匠法:意匠(物品の形状、模様、色彩などのデザイン)を保護する
- 商標法:商標(商品やサービスを区別するためのロゴやマーク)を保護する
- 著作権法:著作物(思想や感情を表現した文章、音楽、絵画など)を保護する
意匠法は、これらの中でも特に製品の「見た目の美しさや使いやすさ」といった視覚的な工夫を保護し、模倣品を防ぐことで産業の発達を助ける役割を担っています。
正解を導き出すための消去法とキーワード
各選択肢を詳しく見ていくと、それぞれが異なる法律の定義になっていることがわかります。
選択肢アの「自然法則を利用した技術的思想に基づいて発明したもの」は、特許法が守る発明の定義です。技術的な仕組みやアイデアそのものを指します。
選択肢イの「思想又は感情を文章や音,絵などで創造的に表現したもの」は、著作権法が守る著作物の定義です。個人のクリエイティブな表現が対象です。
選択肢ウの「文字や図形,記号,立体的形状などで表した商品のマーク」は、商標法が守る商標の定義です。ブランドを識別するための目印を指します。
選択肢エの「物の形状や模様,色彩などで表した商品のデザイン」こそが、意匠法が守る意匠の定義です。形状(かたち)、模様(がら)、色彩(いろ)という三つの要素がキーワードとなります。
IT分野における意匠法の重要性
かつて意匠法は、机や椅子、家電製品といった物理的な「物品」のデザインのみを対象としていました。しかし、デジタル技術の進展に伴い、現在ではスマートフォンの操作画面などの「画像(UIデザイン)」も保護の対象に含まれるようになっています。
ITエンジニアやデザイナーにとって、自身が作成したアプリケーションのインターフェースデザインが、他者の登録した意匠を侵害していないかを確認することは非常に重要です。また、独自性の高い優れた操作画面を開発した際には、それを意匠として登録することで、他社にデザインを真似されるのを防ぐといった戦略的な活用も行われています。