平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問14 解説 生産リードタイム
ある工場では,部品 A,B から成る製品 P を組立生産している。部品 A の加工には,部品 C を必要とし,加工期間は 1 週間である。購買品である部品 B,C の納入リードタイムはそれぞれ 2 週間と 3 週間である。製品 P は部品 A,B がそろって初めて組み立てることができ,その組立生産に 1 週間掛かるとするとき,製品 P を 1 個生産するために,部品の納入期間も含めて最短で何週間必要か。ここで,すべての部品の在庫はないものとする。
- ア 4
- イ 5 ✓ 正答
- ウ 6
- エ 7
解説
この問題は、製品が完成するまでの各工程を整理し、最も時間がかかる経路(クリティカルパス)を見つけ出すことで解くことができます。複数の作業が並行して進む場合、すべての準備が整うまで次の工程に進めないという性質を理解することがポイントです。
作業の依存関係を整理する
製品Pを完成させるためには、まず部品Aと部品Bの2つが手元に揃っている必要があります。さらに、部品Aを作るためには部品Cが必要です。これらの関係を時間の流れに沿って分解すると、以下の2つのルートに分かれます。
- 部品Aに関するルート:部品Cを発注し、届いた部品Cを加工して部品Aを作る
- 部品Bに関するルート:部品Bを発注して納入を待つ
これら2つのルートが完了した段階で、ようやく最終工程である製品Pの組み立てが始まります。
flowchart LR
C["部品Cの納入\n(3週間)"] --> A["部品Aの加工\n(1週間)"]
B["部品Bの納入\n(2週間)"] --> P["製品Pの組立\n(1週間)"]
A --> P
Start["生産開始"] --> C
Start --> B各ルートにかかる週数を計算する
次に、それぞれのルートに何週間かかるかを計算します。
部品Aを用意するための時間は、部品Cの納入リードタイムと部品Aの加工時間を足し合わせたものになります。
一方で、部品Bを用意するための時間は、納入リードタイムそのものです。
製品Pの組み立てを開始するためには、部品Aと部品Bの両方が揃っていなければなりません。部品Bは2週間で用意できますが、部品Aが用意できるのは4週間後です。したがって、部品Bが先に届いていても、部品Aが完成する4週間後まで組み立てを始めることはできません。
最短の完成期間を導き出す
製品Pの組み立てができるようになるのは、最も時間がかかるルート(部品Aのルート)が終わる4週間後です。そこから製品Pの組み立てに1週間かかるため、全体の合計期間は以下のようになります。
よって、正解はイの5週間となります。
生産管理におけるクリティカルパスの考え方
この問題で扱われている考え方は、プロジェクト管理や生産管理におけるクリティカルパス法(CPM)と呼ばれるものです。複数の工程が並行して動くとき、全体の期間を決定するのは「最も時間がかかる一連の工程」です。
実務においては、このクリティカルパス上の作業が1日でも遅れると、製品全体の完成日も1日遅れることになります。逆に、クリティカルパスではない部品Bの納入が1週間遅れて3週間になったとしても、部品Aの準備に4週間かかるという状況が変わらなければ、全体の完成日には影響しません。
このように、どの作業が全体のスケジュールを支配しているのかを特定する能力は、納期管理やリソース配分を最適化する上で非常に重要です。ITパスポート試験では、このような図式化して構造を捉える問題が頻出するため、頭の中だけで考えず、簡単な図を書いて整理する習慣をつけるのが合格への近道です。