ITパスポート試験 / 平成22年度 秋期 ITパスポート試験 / 問32
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平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問32 解説 ソフトウェアの権利

CD-ROMに記録されたPCのソフトウェアパッケージを購入することによって,購 入者に帰属する権利はどれか。

  1. ア CD-ROMに記録されたプログラムの使用権 ✓ 正答
  2. イ CD-ROMに記録されたプログラムの著作権
  3. ウ プログラムの記録されたCD-ROMの意匠権
  4. エ プログラムの記録されたCD-ROMの著作権

解説

ソフトウェア購入で得られるのは「権利」ではなく「利用の許可」

この問題は、ソフトウェアという特殊な商品が法律的にどう扱われているかを問うています。結論から言えば、パッケージ版のソフトウェアを買うという行為は、そのプログラムの「著作権」を買い取るのではなく、開発元と交わした契約に基づき「そのプログラムを特定のルールに従って使ってもよいという許可(ライセンス)」を得る行為です。したがって、選択肢アの「使用権」が正解となります。

著作権と使用権のちがい

著作権は、著作物を創作した人に与えられる権利で、複製、頒布、改変などを独占的に決定できる強い権利です。ソフトウェア開発企業が開発したプログラムの著作権は、通常その開発企業(または開発者)が保有し続けます。

一方で、私たちが店頭やオンラインで購入するソフトウェアは、この著作権そのものを譲り受けるものではありません。購入者は、ソフトウェアの利用許諾契約(EULA: End User License Agreement)に同意することで、特定の範囲内でそのソフトを実行する権利、いわゆる「使用権」を得ます。

イメージとしては、本や音楽CDを買う場合と似ています。本を買ってもその本の著者から著作権を譲り受けたことにはならないため、勝手に複製して販売することはできません。それと同じで、ソフトウェアもあくまで「利用する権利」を買っているという認識が重要です。

選択肢を分析する際の思考プロセス

この問題を解く際は、選択肢の「権利」が誰にとって、どのような意味を持つかを整理します。

・イとエの「著作権」:著作権を譲渡するには通常、非常に高額な契約や、権利移転の手続きが必要です。CD-ROMを数千円から数万円で買っただけで、そのプログラム全体の著作権が購入者に移ることはあり得ません。もし移ってしまったら、開発元はコピーを制限できなくなり、ビジネスが成り立たなくなります。 ・ウの「意匠権」:意匠権は物の形やデザインに対する権利です。プログラムそのものやCD-ROMという媒体の形状が争点になることは基本的になく、ソフトウェアの購入に関連する権利としては不適切です。

「プログラムを自分のPCで使いたい」という目的のために、「使用許諾を得る」という契約を結んでいる、という構造を理解すれば、迷わず選択肢アを選べます。

ITビジネスにおけるライセンスという考え方

この知識は、現代のITビジネス現場で極めて重要です。特に企業でソフトウェアを扱う場合、PCの台数分だけライセンスを購入しなければならないというルールがありますが、これは「使用権」を台数分買っているという考え方に基づいています。

また、近年のクラウドサービス(SaaS)では、手元にソフトウェアを残すのではなく「機能にアクセスする権利」そのものがサービスとなっています。物理的なメディアがない場合でも、この「使用権(ライセンス)」を対価として支払うという概念は共通しています。ITパスポート試験では、こうした法律的・経済的な権利関係を正しく把握しているかどうかが、実務能力の一環として問われています。

参考リンク

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