平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問43 解説 コーディング規約の目的
変数の命名規則やコメントの書き方など,プログラムの標準的な記述方式を定める 目的として,適切なものはどれか。
- ア いつ,どのようなテストを行うかを明確にすること
- イ ソフトウェアコード作成の前提となる仕様書の品質を向上させること
- ウ ソフトウェアコードの保守性を向上させること ✓ 正答
- エ データベース設計の品質を向上させること
解説
この問題は、コーディング規約の目的を問うものです。キーワードは「プログラムの標準的な記述方式」であり、これが指し示すのは「コーディング規約」です。規約を設ける最大の目的は、誰が書いても同じような書き方に統一することで、読みやすさと修正のしやすさ(保守性)を高めることにあります。
コーディング規約とは何か
コーディング規約とは、ソースコードを書く際に守るべきルールのことです。変数の名前の付け方(キャメルケースやスネークケースなど)、インデント(字下げ)の幅、コメントの記述方法、関数やクラスの命名規則などを具体的に定義します。
もし、このルールが存在しないとどうなるでしょうか。ある人は短い変数名を好み、ある人は長い名前を付け、ある人はインデントにタブを使い、ある人はスペースを使うという状況が発生します。これでは、作成者以外の人がコードを読んだときに、処理の内容を理解するのに多大な時間がかかってしまいます。
なぜ保守性が重要なのか
ソフトウェア開発において、コードを一度書いて終わりということはほとんどありません。機能の追加やバグの修正など、リリース後も継続的にコードを変更していく必要があります。これを「保守」と呼びます。
保守を行う際、プログラムの記述ルールがバラバラだと、コードを解読するだけで疲弊してしまいますし、修正ミス(バグ)を混入させるリスクも高まります。一方で、コーディング規約がしっかり守られていると、初めて見るコードであっても構造が把握しやすく、スムーズに修正作業に取り掛かることができます。つまり、統一されたルールは「プログラムの読みやすさ(可読性)」を高め、結果として「保守性」を大きく向上させるのです。
実務における知識の活用
この知識は、現場のエンジニアだけでなく、開発プロジェクトを管理するリーダーや、システムを発注する側にとっても重要な意味を持ちます。
たとえば、システム開発の現場では、プロジェクトの開始前に必ず「コーディング規約書」を作成し、チーム全員で共有します。また、コードレビューの際には、この規約に違反していないかをチェックすることも重要な工程です。もし、ITパスポート試験でこのテーマが出たら、「統一することで、誰でも直しやすい状態(=保守性の高い状態)を作ること」が目的だと即座に判断しましょう。他の選択肢はテスト計画や仕様書、DB設計の話であり、コーディング規約の目的とは外れます。