平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問44 解説 プロジェクトの意思疎通
プロジェクトメンバの間で,プロジェクトに関する決定事項を明確に伝えるために 行う活動として,最も適切なものはどれか。
- ア 議事録作成のルールを決める。 ✓ 正答
- イ 作業タスクの洗い出しを十分に行う。
- ウ 進捗を定量的に管理する。
- エ 成果物のレビューを実施する。
解説
決定事項を後から「言った・言わない」のトラブルにしないためには、会議の内容を記録し、参加者間で合意内容を確定させる必要があります。したがって、議事録作成のルールを定めることが、情報共有の正確性を担保する最も直接的な活動となります。
コミュニケーション管理と記録の重要性
プロジェクトマネジメントにおいて、コミュニケーションは非常に重要な要素です。関係者間での情報の齟齬を防ぎ、意思決定の内容を確実に伝達するためには、情報を「形」に残す必要があります。
議事録は、会議で何が議論され、誰が何を決定し、誰がいつまでに何を行うのかを明文化する重要なコミュニケーションツールです。作成のルール(フォーマットの統一、承認プロセス、配布先など)を決めておくことで、記録の抜け漏れを防ぎ、誰が見ても同じ内容が伝わる状態を保つことができます。
選択肢の判断プロセス
プロジェクトにおいて、各活動にはそれぞれ異なる目的があります。問題文が求めている「決定事項を明確に伝える」という目的と照らし合わせて、選択肢を精査します。
・ア:議事録は決定事項を記録・共有する手段です。そのルール作りは、情報の伝達ミスを防ぐための基盤となります。 ・イ:作業タスクの洗い出しは、プロジェクトの範囲や計画を明確にするための活動であり、決定事項を記録・周知することとは別の目的です。 ・ウ:進捗の定量的管理は、プロジェクトの計画と実績の乖離を確認するための活動です。情報の「記録」ではなく、現状の「分析」に重点が置かれています。 ・エ:成果物のレビューは、作成した物の品質を確認するためのプロセスです。レビュー結果を記録することは大切ですが、組織全体の決定事項を共有する一般的な手段としては、議事録の整備がより直接的です。
現場で求められるコミュニケーションの品質
この問題は、プロジェクトの運営において、属人的な記憶に頼らない仕組み作りが重要であることを説いています。
実際のITプロジェクトの現場では、メンバーの入れ替わりや長期間の検討が発生します。そのため、「いつ、誰が、何を決定したのか」という経緯(エビデンス)を誰もが参照できる状態にしておくことは、品質保証や進捗管理の土台となります。試験では、個々の技術的なタスクよりも、プロジェクトを円滑に進めるための管理手法として、このような文書管理の重要性が頻繁に問われます。