平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問46 解説 アローダイアグラムの遅延
図のアローダイアグラムで示される日程のプロジェクトが開始されてから 5 週が経過した。各工程の進捗率が表に示すとおりの場合,プロジェクト完了の遅延につながる工程はどれか。ここで,今後の各工程の作業は,当初の予定どおり進むものとする。
- B
- E
- F
- G ✓ 正答
解説
この問題を解くには、まずプロジェクト全体の完了を左右する「クリティカルパス」を特定し、次に現在(5週経過時点)から完了までに何週かかるかを計算して、計画の10週を超えてしまう経路を見つけます。
今回の手順は以下の通りです。
- アローダイアグラムから各経路の合計所要時間を計算し、最も長い経路(クリティカルパス)を見つける。
- 各工程の「残り作業週数」を計算する(残り週数=全体の所要週数 )。
- 5週経過した現在から、完了までに必要な期間が、当初の余裕期間を超えていないか確認する。
クリティカルパスとプロジェクトの構造
アローダイアグラムにおけるクリティカルパスとは、プロジェクトの開始から終了までで、最も時間がかかる経路のことです。この経路上の作業が遅れると、プロジェクト全体の完了も直接的に遅れます。
本問のネットワークをたどると、主な経路は以下のようになります。
- A-D-Fの経路:週
- B-Fの経路:週
- C-Gの経路:週
- A-Eの経路:週
この中で最も所要期間が長いのは「C-Gの経路」で、全体で10週かかります。つまり、このプロジェクトを予定通り10週で完了させるには、工程Cと工程Gがボトルネックとなります。
なぜ工程Gが遅延の原因となるのか
現在5週が経過した時点での状況を整理します。工程Gは当初8週かかる予定であり、現在の進捗率は25%です。
これに基づくと、工程Gの残り作業量は以下のように計算できます。
残り週数=
すでに5週が経過しているため、今後工程Gが終了するまでにかかるのは「今の5週」+「残りの6週」で計11週となります。プロジェクト全体の目標である10週をすでに超えてしまっているため、工程Gの進捗が遅延の直接的な原因となります。
他の工程についても同様に残り週数を確認すると、例えば工程Eは全体で4週の予定で進捗率25%のため、残り3週です。A-Eの経路で見ると、すでにAは完了しており、Eの開始待ち時間を考慮しても、合計8週以内に収まる計算となります。このように、クリティカルパス上にある工程でかつ、残り作業期間が長引いているものに注目するのがポイントです。
実務における進捗管理の重要性
アローダイアグラムを用いた進捗管理は、プロジェクトマネジメントにおいて最も基本的な手法の一つです。実際の業務現場でも、すべてのタスクを等しく管理するのではなく、クリティカルパス上に位置する「完了に直接影響するタスク」を優先的に監視します。
この問題の教育的意図は、単に計算ができるかだけでなく、プロジェクト全体像を把握し、どのタスクが全体の納期に直結しているかを判断する「優先順位付け」の感覚を養うことにあります。進捗率の数字に惑わされず、どのタスクが全体のボトルネックになっているかを見抜く力が、実務でのトラブル回避につながります。