平成22年度 春期 ITパスポート試験 問3 解説 ブレインストーミング
問3 問題解決手法の一つであるブレインストーミングのルールとして, 適切なものはどれか。
- ア 各自でアイディアを練り, 質が高いと思うものだけを選別して発言する。
- イ 他人が出したアイディアを遠慮なく批判する。
- ウ 他人の出したアイディアに改良を加えた発言は慎む。
- エ 突飛なアイディアも含め, 自由奔放な発言を歓迎する。 ✓ 正答
解説
この問題は、ブレインストーミングにおける「4つの基本原則」を知っているかどうかを問う典型的な知識問題です。正解の根拠は、ブレインストーミングが「アイデアの発散」を目的としている点にあります。
ブレインストーミングの4原則
ブレインストーミングは、集団でアイデアを出し合うことで、一人では思いつかないような発想を引き出す手法です。その効果を最大化するために、以下の4つのルールが定められています。
・批判厳禁:出されたアイデアに対して、その場では批判や否定をしない。 ・自由奔放:突飛な意見や、一見実現不可能な意見であっても歓迎する。 ・質より量:質よりも、とにかく数多くのアイデアを出すことを優先する。 ・結合・改善:他人のアイデアに自分の知識や考えを付け加えたり、組み合わせたりして、新しいアイデアを生み出す。
今回の選択肢を見ると、選択肢エだけが「自由奔放」の原則に合致しており、他はすべてこれらの原則に反する内容になっています。
なぜ他の選択肢は間違いなのか
・選択肢ア:質より量を重視するため、事前に選別してはいけません。むしろ「こんなことを言ったら変に思われるかな?」といった迷いを捨てさせることが重要です。 ・選択肢イ:批判厳禁の原則に真っ向から対立します。批判を恐れると参加者は萎縮し、画期的なアイデアが出てこなくなります。 ・選択肢ウ:結合・改善の原則に反します。他人のアイデアを刺激として、それを発展させることこそがブレインストーミングの醍醐味です。
思考のステップと本質
試験でこの種の問題が出たときは、「その行動をとることで、アイデアの総量が増えるか、あるいは萎縮するか」を基準に考えると迷いません。
- アイデアの出し合いにおいて、自分や他人の評価軸を入れるとどうなるか?(→制限がかかり、発想が狭まるため間違い)
- 突飛な意見を許容すると、集団の思考はどう変化するか?(→「あ、そんなことも言えるなら自分もこれを言ってみよう」と連想ゲームのように活性化するため正解)
実務における活用のヒント
この手法は、ITプロジェクトの初期段階である要件定義や、業務改善の現場で非常によく使われます。特に技術者が集まると「論理的に正しいか」「実現可能か」という視点に偏りがちですが、ブレインストーミングのフェーズではあえてその論理的なブレーキを外し、広い視野で可能性を探索することが求められます。
この知識は、単なる試験対策としてだけでなく、会議をスムーズに進行させるファシリテーションスキルとしても非常に強力です。意見が出なくて膠着している会議では、まずこの「批判厳禁・量重視」の空気を整えることが、成功への第一歩となります。