平成22年度 春期 ITパスポート試験 問4 解説 システム調達プロセス
問4 B社は図のような流れで情報システムを調達した。aに当てはまるものはどれか。
- ア NDA
- イ RFI
- ウ RFP ✓ 正答
- エ SLA
解説
この問題は、情報システムの調達プロセスにおける「発注側からベンダへ送られる、具体的な提案依頼文書」が何かを問うています。正解は「ウ RFP」です。
判断のポイントは、図中で「作成・配布」された後に「ベンダが受領し、その後に提案書が作成されている」という流れです。ベンダから提案を引き出すための、要件がまとめられた正式な依頼書がRFP(Request For Proposal:提案依頼書)です。
情報システム調達における主要な文書の役割
情報システムの調達では、準備段階から契約に至るまで、いくつかの文書が段階的に登場します。試験で混同しやすい用語を整理しましょう。
RFI(情報提供依頼書:Request For Information) ベンダに対して、技術動向や実績など、ベンダの情報を教えてほしいと依頼する文書です。システム導入の検討段階で、どのような技術があるか情報を集めるために使われます。
RFP(提案依頼書:Request For Proposal) システム導入の要件が固まった段階で、具体的に「どのようなシステムを、いくらで、いつまでに作れるか」という提案を求める文書です。本問の「a」はこの段階にあたります。
NDA(秘密保持契約:Non-Disclosure Agreement) 提案依頼の前後で、自社の機密情報をベンダに開示する場合に締結する契約です。情報の漏えいを防ぐためのもので、提案を依頼するための文書ではありません。
SLA(サービス品質合意書:Service Level Agreement) システム稼働後に、どのような品質レベルを保証するかを決める契約書です。調達プロセスが終わり、運用段階に入る前段階の取り決めです。
プロセスの流れから正解を導く思考
問題の図を左から右へたどると、B社内部で要件が確定し、基準が承認された後、「a」を作成してベンダに配布しています。その後、ベンダがこれを受け取って「提案書作成」というアクションに移っています。
この「提案書作成のトリガー」となるものが何であるかを考えると、必然的に「提案を依頼する文書」であるRFPにたどり着きます。もしこれがRFIであれば、受領後に返ってくるのは「情報」であって「提案書」ではないため、プロセスとして不自然になります。
調達プロセスは実務の現場でも重要
この知識は、実際に企業がIT投資を行う際、トラブルを防ぐための必須の知識です。RFPを適切に作成できるかどうかが、システム構築の成否を分けるといっても過言ではありません。
ITパスポート試験でこのテーマが問われる意図は、単に用語を暗記することではありません。「発注側がやりたいことを曖昧に伝えると、ベンダからの提案もバラバラになり、期待外れのシステムができる」というリスクを理解し、そのリスクを回避するための「正式な依頼のステップ」を学んでもらうことにあります。実務では、RFPに書かれていない機能は、後のトラブルの元になります。試験対策としても、それぞれの用語が「どのタイミングで」「何のために」使われるのか、前後の文脈とセットで覚えるのが最も効率的です。