平成22年度 春期 ITパスポート試験 問27 解説 ロングテールの定義
ロングテールの考え方を活用したインターネットにおけるビジネスの説明として,適切なものはどれか。
- ア Web サイト上で個人が出品した物品を参加者が入札し,購入する。
- イ インターネット上に複数の仮想商店からなる Web サイトを構築し,出店料を徴収する。
- ウ 販売数が少ない商品でも Web サイト上で売り続けることができる。 ✓ 正答
- エ 誘導実績に応じた報酬を支払うことを条件に,ほかの Web サイトにリンクを掲載し,自社商品の購入 Web サイトへの顧客誘導を図る。
解説
ロングテールの判断基準
ロングテールという用語が出てきたら、まずは「売れ筋ではない、マイナーな商品の集合体」というキーワードを思い出してください。実店舗では棚に置ける数に限りがあるため、人気商品(ヘッド)を優先しがちですが、インターネット上の販売では在庫の場所や展示スペースの制約が極めて小さいため、ニッチな商品(テール)を数多く並べておくことが可能です。選択肢の中で「販売数が少ない商品」に焦点を当てているものを選べば正解となります。
ロングテールの考え方とビジネスモデル
ロングテールとは、商品販売における売上の分布をグラフにした際、横軸に商品、縦軸に売上をとると、人気商品は急激に売上が高い一方、それ以外の膨大な数の商品が長い裾(テール)を引くような形になることから名付けられました。
ビジネスにおけるポイントは、一点一点の売上は小さくても、それらを大量に取り揃えることで、結果として大きな売上を確保するという点です。インターネット以前のビジネスでは、ニッチな商品を全国に配送したり、在庫として抱えたりするコストが見合いませんでしたが、IT技術による効率的な在庫管理や検索機能の進化によって、マイナーな商品でも顧客と結びつけやすくなりました。
なぜ他の選択肢は誤りなのか
選択肢アは、オークションサイトの仕組みです。これはロングテール戦略というよりも、CtoC(個人間取引)やダイナミック・プライシングの考え方に近いです。
選択肢イは、ショッピングモール運営のビジネスモデルです。場所を貸して出店料を得るモデルであり、品揃えの戦略そのものを指しているわけではありません。
選択肢エは、アフィリエイト広告の説明です。広告主が成果報酬型で外部サイトから顧客を誘導するマーケティング手法であり、ロングテール戦略とは異なる仕組みです。
試験に出るビジネスモデルの考え方
この問題は、ITを活用した販売戦略として「実店舗にはないインターネット特有の強み」を理解しているかを確認しています。ITパスポートでは、ロングテールの他にも、フリーミアム(基本機能は無料、付加価値は有料)やプラットフォーム戦略、マッチングビジネスといった、現代的なビジネス用語が頻出します。
これらの知識は、単なる暗記ではなく、なぜインターネットを使うとこれまでの常識と異なる利益の上げ方ができるのかという背景をセットで理解しておくことが重要です。実生活でAmazonのような巨大通販サイトを見る際、「なぜこんなニッチな本まで在庫があるのか?」と考える癖をつけると、試験本番でも迷わず正解を選べるようになります。