平成22年度 春期 ITパスポート試験 問98 解説 SWOT分析の強み
〔S社の状況〕の中で,強みに分類されるものとして,適切な組合せはどれか。
- ア
- イ
- ウ ✓ 正答
- エ
解説
SWOT分析における「強み(Strengths)」を見つけるには、提示された状況の中から、組織の「内部環境」かつ「プラスの側面」に該当する項目を抜き出します。具体的には、自社の技術力、ブランド力、人材、コスト競争力といった、他社と比較して有利な点を探すのが正解への最短ルートです。
SWOT分析の基本構造
SWOT分析は、経営戦略を策定する際に用いられるフレームワークです。対象を「内部環境」と「外部環境」に分け、さらに「プラス要因」と「マイナス要因」を掛け合わせて4つの要素に分類します。
・強み(Strengths):内部環境かつプラス要因。自社が持つ優れた能力や資産。 ・弱み(Weaknesses):内部環境かつマイナス要因。他社に劣っている点や改善が必要な点。 ・機会(Opportunities):外部環境かつプラス要因。市場環境の変化など、自社にとって追い風となる要素。 ・脅威(Threats):外部環境かつマイナス要因。競合の台頭や法規制など、経営にとっての逆風。
この分類を理解するコツは、視点を「自分自身(内部)」に置いているか、「自分を取り巻く世界(外部)」に置いているかを意識することです。
内部要因と外部要因を見極める思考プロセス
この問題を解く際は、文章の各要素が以下のどれに当てはまるかを仕分けます。
- 組織の内部にあるものか?(自分たちでコントロール可能か)
- 市場や社会といった外部にあるものか?(自分たちではコントロールできない環境か)
たとえば、「高い技術力を持っている」や「独自の特許がある」といった記述は、自社の努力で築き上げたものですから「内部要因」です。これらが競合よりも優れていれば「強み」に分類されます。一方で、「景気が回復している」や「競合他社が撤退した」といった記述は、自社がコントロールできない外部の状況ですので、「機会」に分類されます。
試験では、文章を読みながら「これは自社の努力で変えられることか? それとも周囲の状況か?」と自問自答することで、分類ミスを劇的に減らすことができます。
実務におけるSWOT分析の活用
SWOT分析は、単に分類して終わりではありません。強みと機会を組み合わせて「どのような事業拡大ができるか」、弱みを補強して脅威を回避するには「どのような改善が必要か」というクロス分析へと繋げるのが一般的です。
ITパスポートでこの概念を問う意図は、単なる用語の暗記ではなく、経営戦略の全体像を把握させることにあります。システムの導入を検討する場面でも、「自社の強みである顧客データベースを活用し、市場の機会であるオンライン販売を強化する」といったように、IT投資を経営戦略と結びつける思考が求められます。実務の現場では、客観的なデータを用いてこれらの要因を整理し、経営層や関係者と方向性をすり合わせる際によく利用されています。