ITパスポート試験 / 平成24年度 秋期 ITパスポート試験 / 問18
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平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問18 解説 M&A

事業の再編などに用いられる M&A の説明として、適切なものはどれか。

  1. ア 技術力や販売力など、自社で不足している経営資源を他社との提携によって補 完する。
  2. イ 経営者が、自社の株式の大半を買い取ることで経営権を取得する。
  3. ウ 自社の一部の事業を分離し、他社の類似事業と合体させて新しい事業会社を設 立する。
  4. エ 自社の迅速な事業拡大のために、株式取得などの方法によって、他社を買収す る。 ✓ 正答

解説

M&Aの定義は「企業の合併(Mergers)と買収(Acquisitions)」です。この問題では、自社が主体となって他社や他社の事業を買い取ることで、自社の規模や機能をスピーディに拡大させるという目的が示されている選択肢エを選びます。

企業の時間を買う戦略としてのM&A

M&Aは、二つ以上の会社が一つになる「合併」と、ある会社が別の会社の株式や事業を買い取る「買収」を総称した言葉です。企業が成長を目指すとき、自社だけで新しい技術を開発したり市場を開拓したりするには長い時間がかかります。そこで、すでにその技術や販路を持っている他社を買い取ることで、成長に必要な時間を短縮する「時間を買う」という考え方が、M&Aの大きな目的の一つです。

ITパスポート試験においては、経営戦略の手段としてM&Aが頻出します。自社に足りない経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を外部から取り入れる手法であることを理解しておく必要があります。

選択肢の絞り込みと用語の整理

試験で迷いやすい類似用語と比較しながら、なぜ選択肢エが正解になるのかを分析します。

選択肢アの「他社との提携によって補完する」という説明は、アライアンス(業務提携)を指します。M&Aは資本の移動を伴い、会社そのものや事業の一部を所有することになりますが、アライアンスは独立した企業同士が協力関係を築くことを指し、資本の移動を伴わない場合も多いのが特徴です。

選択肢イの「経営者が、自社の株式の大半を買い取る」という説明は、MBO(Management Buyout)を指します。これはM&Aの一種ではありますが、第三者が会社を買い取るのではなく、現在の経営陣がオーナーから株式を買い取って経営権を握る手法です。親会社から独立する場合や、非上場化して短期的な利益にとらわれない経営を目指す場合に行われます。

選択肢ウの「自社の一部の事業を分離し、他社の類似事業と合体させて新しい事業会社を設立する」という説明は、事業統合やJV(ジョイントベンチャー:合弁会社)の設立、あるいはスピンオフに近い概念です。特定の事業部門を切り出して他社と協力する形態であり、会社全体を買い取る「買収」とはニュアンスが異なります。

選択肢エは「株式取得などの方法によって、他社を買収する」とあり、M&Aの「A(Acquisitions)」そのものを説明しています。迅速な事業拡大という目的もM&Aの典型的な動機と一致するため、これが正解となります。

ビジネスの現場でのM&Aの意義

M&Aは単なる規模の拡大だけでなく、シナジー効果(相乗効果)を狙って行われます。例えば、優れた技術を持つITベンチャー企業を、強力な営業網を持つ大手企業が買収すれば、開発された製品を一気に全国へ広めることができます。これは 1 + 1 が 2 以上になる効果です。

また、事業の多角化(リスク分散)や、不採算部門の売却(事業ポートフォリオの整理)など、企業の形を柔軟に変えて生き残るための高度な経営判断として活用されています。ITの世界では、GoogleやMicrosoftなどの巨大企業が、自社にない新しいサービスを持つスタートアップを次々と買収することで、技術革新のスピードを維持しているのが象徴的な例です。

参考リンク

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