ITパスポート試験 / 平成24年度 秋期 ITパスポート試験 / 問26
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平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問26 解説 マーケティングミックスのプロモーション戦略

問26 マーケティングミックスの4Pの一つであるプロモーション戦略には、プッシュ 戦略とプル戦略がある。メーカの販売促進策のうち、プル戦略に該当するものはどれ か。

  1. ア 商品知識やセールストークに関する販売員教育の強化
  2. イ 販売員を店頭へ派遣する応援販売の実施
  3. ウ 販売金額や販売量に応じて支払われる販売奨励金の増額
  4. エ 販売店への客の誘導を図る広告宣伝の投入 ✓ 正答

解説

ITパスポート試験の合格には、ビジネスの基本的な概念を正確に理解することが重要です。この問題は、マーケティング戦略における「プロモーション」の手法、特に「プッシュ戦略」と「プル戦略」の違いを問うものです。

解き方ガイド

プル戦略とは、最終消費者に直接働きかけ、製品に対する需要を喚起することで、消費者が自ら製品を求めるように仕向け、結果として流通チャネル(販売店など)が製品を「引き出す」かたちで販売を促進する戦略です。選択肢の中で、最終消費者の購買意欲を高めて販売店へ誘導する「広告宣伝」が、このプル戦略に該当します。他の選択肢は、販売員や販売店といった流通チャネルに働きかけるプッシュ戦略の要素が強いです。

マーケティングミックスとプロモーション戦略

企業が製品やサービスを市場に投入し、成功させるためには、さまざまな要素を組み合わせて戦略を立てる必要があります。この組み合わせは「マーケティングミックス」と呼ばれ、一般的に「4P」というフレームワークで整理されます。

  • Product(製品): どのような製品やサービスを提供するのか。機能、品質、デザイン、ブランド名、パッケージなど。
  • Price(価格): どのくらいの価格で提供するのか。定価、割引、支払い条件など。
  • Place(流通): どのように顧客に製品を届けるのか。販売チャネル、流通網、在庫管理、物流など。
  • Promotion(プロモーション): どのように製品やサービスの存在を顧客に知らせ、購買を促すのか。広告、広報、販売促進、人的販売など。

この問題は、4Pの一つである「プロモーション」戦略に焦点を当てています。プロモーション戦略は、大きく「プッシュ戦略」と「プル戦略」に分けられます。

プッシュ戦略とプル戦略の具体的な違い

プッシュ戦略(Push Strategy)

プッシュ戦略は、製品を「押す」ようにして流通チャネル(卸売業者、小売店、販売員など)を通じて顧客に販売を促す戦略です。企業は流通チャネルに対してさまざまな働きかけを行い、彼らが積極的に製品を販売するように動機づけます。

プッシュ戦略の例:

  • 販売員教育の強化: 販売員が製品知識を深め、より効果的なセールストークができるように研修を行う。
  • 販売奨励金(インセンティブ)の増額: 販売店や販売員が、販売目標達成に応じて報奨金を受け取れるようにする。これにより、積極的に顧客に製品を勧める動機付けとなる。
  • 店頭への応援販売員の派遣: メーカーの販売員を店頭に派遣し、直接顧客に製品説明を行ったり、販売活動をサポートしたりする。
  • 流通チャネルへの割引や特典の提供: 卸売業者や小売店が、メーカーから製品を仕入れる際の価格を優遇したり、陳列棚の確保を支援したりする。

プッシュ戦略は、流通チャネルとの良好な関係を築き、彼らの販売努力を最大化することで、製品を市場に押し広げることを目指します。

プル戦略(Pull Strategy)

プル戦略は、最終消費者に直接働きかけ、製品に対する需要を「引き出す」ように促す戦略です。消費者の購買意欲を高めることで、消費者が自ら販売店に製品を求めに行くようになり、結果として販売店が製品を仕入れざるを得ない状況を作り出します。つまり、消費者が流通チャネルを通じて製品を「引き寄せる」構図になります。

プル戦略の例:

  • テレビCM、インターネット広告: 最終消費者に向けて製品の魅力を伝え、購買意欲を刺激する。
  • SNSマーケティング: 消費者と直接コミュニケーションを取り、製品への関心を高める。
  • 広報活動(PR): ニュースリリースやメディア掲載を通じて、製品や企業の認知度と信頼性を高める。
  • 消費者向けイベントやキャンペーン: サンプル配布、試食会、体験イベント、抽選キャンペーンなどを通じて、消費者の関心を引き、製品の購入を促す。

プル戦略は、ブランド認知度の向上や消費者のロイヤルティ(愛着)形成に強く貢献し、長期的な市場での優位性を築くのに有効です。

問題の選択肢と判断プロセス

改めて問題と選択肢を見て、プル戦略に該当するものを選びましょう。

  • ア 商品知識やセールストークに関する販売員教育の強化
    • これは「販売員」という流通チャネル(人的販売)への働きかけです。販売員が製品を積極的に勧めるための教育なので、プッシュ戦略に該当します。
  • イ 販売員を店頭へ派遣する応援販売の実施
    • これもメーカーが「販売店」という流通チャネルを支援し、「販売員」を通じて顧客に製品を勧める活動です。よって、プッシュ戦略に該当します。
  • ウ 販売金額や販売量に応じて支払われる販売奨励金の増額
    • これは「販売店」や「販売員」に対して、より多く製品を売るための金銭的な動機付けを行うものです。これもプッシュ戦略に該当します。
  • エ 販売店への客の誘導を図る広告宣伝の投入
    • 「広告宣伝」は、テレビ、インターネット、雑誌などを通じて「最終消費者」に直接働きかけ、製品の購買意欲を高めます。消費者が「あの製品が欲しいから、あの店に行こう」と自ら販売店へ足を運ぶよう促すため、まさにプル戦略の典型例です。

したがって、正解は「エ」となります。

実社会での活用とITパスポート試験の意図

企業は、新製品を市場に投入する際や、既存製品の売上を伸ばしたい時に、プッシュ戦略とプル戦略を組み合わせて活用することが一般的です。例えば、新製品のテレビCM(プル戦略)を大規模に展開しつつ、同時に販売店に対して販売奨励金(プッシュ戦略)を支給して、店頭での展開を強化するといった複合的な戦略がとられます。

ITパスポート試験でこのような問題が出題されるのは、IT技術がビジネスのあらゆる側面に深く関わっている現代において、IT人材にもビジネスの基本的な知識が求められるからです。マーケティング戦略を理解することは、例えばWebサイトやSNSを活用したプロモーション(プル戦略)を企画・実施したり、顧客データ分析を通じて効果的な販売促進策(プッシュ戦略・プル戦略両方)を立案したりする上で不可欠な知識となります。ITパスポート試験は、あなたがITの専門家として活躍する上で必要な、広範なビジネス基礎力を問うているのです。

参考リンク

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