平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問43 解説 プロジェクトの例
プロジェクトの例として、最も適切なものはどれか。
- ア 銀行では、ATM の定期点検を行う。
- イ 工場では、生産実績に関する月次の報告書を作成する。
- ウ 商店では、人気の 5 ある商品の仕入量を増やす。
- エ ソフトハウスでは、大規模なオンラインシステムを新規に開発する。 ✓ 正答
解説
プロジェクトと定常業務を見分けるポイント
プロジェクトとは、独自の目的があり、期限(開始と終了)が決まっている一時的な活動を指します。一方、日々の業務として繰り返されるものは「定常業務」と呼ばれます。この問題を解く際は、「それは一度きりの特別な活動か、それとも繰り返し行われるルーチンワークか」という視点で各選択肢を判断します。
プロジェクトの定義:一時性と独自性
プロジェクトマネジメントの観点では、プロジェクトを以下の二つの特徴を持つ活動と定義します。
- 一時性:明確な開始日と終了日が決まっていること。
- 独自性:そのプロジェクトでしか得られない特定の成果物や結果を目指すこと。
逆に、期間の定めがなく、同じ手順や目的で継続的に繰り返される業務はプロジェクトではありません。例えば、工場での製品製造や経理の月次処理などは、あらかじめ定められた業務プロセスを繰り返すものであり、プロジェクトには該当しません。
思考のステップ
選択肢をプロジェクトの定義に照らし合わせて分析します。
ア:ATMの定期点検は、決められた時期に繰り返し行われる保守業務であり、定常業務です。 イ:月次の報告書作成は、毎月決まったサイクルで行われる定型業務であり、定常業務です。 ウ:仕入量を増やすという判断は、日々の営業活動の一環であり、継続的な販売プロセスの一部です。 エ:新規システム開発は、そのシステムが完成すれば活動が終了し(一時性)、かつ特定の目的のために作り上げられる特別な取り組み(独自性)であるため、プロジェクトに該当します。
このように、設問を見たときに「これは終わりのある挑戦か」という視点を持つことが、正解を導き出す最短ルートになります。
実務における意義
この知識は、ITプロジェクトマネジメントだけでなく、あらゆるビジネスシーンで重要です。日常の業務と、新しい価値を生み出すためのプロジェクトを明確に区別できなければ、リソース管理が適切に行えません。
例えば、ルーチンワークの中にプロジェクト的な要素が混在していることに気づけないと、期限内に終わらせるべき目標が、日常業務の忙しさに埋もれてしまい、進捗が滞る原因になります。プロジェクトには専任のリソースや特別な管理手法(WBSなど)が必要であることを理解しておくことは、リーダーとしての基礎能力といえます。