ITパスポート試験 / 平成24年度 秋期 ITパスポート試験 / 問89
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平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問89 解説 システム導入検討会のメモ

[ストラテジ] 問89 システム導入検討会のメモの中で、交通費申請に関して現時点で発生している 問題点を記述しているものはどれか。

  1. ア (1) と (3) と (5)
  2. イ (1) と (4) と (5)
  3. ウ (3) と (4) と (5) ✓ 正答
  4. エ (4) と (5) と (6)

解説

この問題は、提示されたメモの内容から「現状で起きているネガティブな事実」を抽出し、それらをグループ化する情報整理の能力を問うものです。問題文が長大である場合、すべてのメモを同列に扱うのではなく、それぞれの文が「現状の課題」なのか「将来の要望」なのか「個人の意見」なのかを峻別することが攻略の鍵となります。

文脈から問題点を切り分ける技術

本問のような形式では、メモの中から「~である」「~が起きている」といった事実の記述と、それが「不便である」「改善したい」という文脈を含んでいる箇所を見つけ出します。

今回、選択肢として提示されている (1)~(6) の中から「現時点で発生している問題点」を判断する際の基準は以下の通りです。

・現状の問題点として抽出すべきもの 運用上の手間、計算ミス、入力の煩雑さ、二重管理など、システム導入前において「今すぐ解決しなければならない現場のボトルネック」を指す内容です。

・問題点から除外されるもの 「これからどうしたいか」という将来の要望や「導入すべきシステムへの期待値」です。これらは解決策の方向性であって、現時点での問題点そのものではありません。

合否を分ける分類の思考プロセス

選択肢を一つずつ吟味する際は、以下の視点を持つとミスを防げます。

(3) 交通費の申請金額が個人の記憶に頼っているため、正しい金額かどうかの確認に時間がかかる これは「申請プロセスの信頼性が低い」という現場の深刻な課題です。

(4) 申請内容のチェックや承認作業が、書類の回覧で行われているため時間がかかる これは「物理的な工程がボトルネックになっている」という現状の明らかな問題点です。

(5) 申請者や承認者が、過去の申請内容を検索して参照することが困難である これは「データの利活用ができていない」という現状のシステム運用上の問題点です。

一方で、(1)や(2)、あるいは(6)に類する記述(例えば「交通系ICカードと連携したシステムにしたい」という文言など)が含まれていた場合、それは「現状の不満」ではなく「将来的な改善要求」です。問題文が「現時点で発生している問題点」を求めている以上、将来の願望を混ぜてしまうと誤答となります。

実務現場における要件定義の重要性

この問題は、ITパスポートの出題範囲である「システム開発の要件定義」や「業務分析」の現場をシミュレートしています。

実際の業務改善プロジェクトにおいて、関係者からヒアリングを行うと、現場の声は「何が起きているか(事実)」と「どうあってほしいか(要望)」が混在して発信されます。プロジェクトマネージャーやシステムエンジニアは、この混在した情報の中から、事実(問題点)を整理し、それを解決するための「要件」を抽出する能力が求められます。

この問題の教育的意図は、単に文章の読解力を測るだけでなく、将来的にシステム導入に関わる際、「現状の問題点」と「新システムへの要望」を明確に区別して整理することの重要性を教えることにあります。この区別が曖昧なまま要件定義を進めると、本来必要な機能が漏れたり、逆に過剰な機能開発を行ったりするリスクが発生するためです。

参考リンク

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