ITパスポート試験 / 平成25年度 秋期 ITパスポート試験 / 問92
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平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問92 解説 業務改善案の評価

別表1
設問図

Mさんは複数のアイデアを,評価軸ごとに5点満点で評価した。関係者間で検討を 重ねた最終評価結果は表1のとき,〔業務改善の企画書作成に関する上司からの指 示〕の(3)に基づいて最も高い評価を得る案はどれか。 表1 最終評価結果 案 効果1) 費用 実行 案1:写真の掲載をやめる 1 5 5 案2:商品ごとの掲載写真の数を絞り込む 2 5 3 案3:登録内容をシステムでチェックする 5 1 1 案4:登録内容をまとめてベテラン担当者が目視チェックする 4 4 2 注1) 効果は,クレームの発生を抑える効果とWeb販売を拡大する効果の両面で評価し た。 〔評価基準〕 効果(効果の大きさ):5(大きい)〜1(小さい) 費用(費用の小ささ):5(小さい)〜1(大きい) 実行(実行のやすさ):5(容易)〜1(困難)

  1. 案1
  2. 案2
  3. 案3
  4. 案4 ✓ 正答

解説

この問題は、複数の評価軸を用いて案を比較・検討する「定量的評価」のプロセスを問うものです。正解を導くには、単純な合計値ではなく、評価項目ごとのバランスと、組織が何を重視しているかという「重み付け」の考え方が重要になります。

評価項目を数値化して比較する

試験では、各評価軸に「重み」が設定されている場合があります。もし仮にすべての評価軸の重要度が同じであれば、単純な合計値で比較しますが、現実の業務では「効果」が最優先されることが一般的です。

今回の案4が正解である理由は、効果、費用、実行のバランスが優れているためです。各案を合計すると以下のようになります。

  • 案1:1 + 5 + 5 = 11
  • 案2:2 + 5 + 3 = 10
  • 案3:5 + 1 + 1 = 7
  • 案4:4 + 4 + 2 = 10

合計点だけで見ると案1が最も高くなりますが、案1は「効果」が1点と非常に低く、業務改善としては不十分です。一方で案3は「効果」が5点と最高ですが、費用や実行の難易度が厳しく、現実的ではありません。案4は効果で4点という高い評価を維持しつつ、費用と実行面でも極端に低い評価を避けており、全体として最も「実現可能性が高く、かつ成果が見込める」案として評価されたと判断できます。

意思決定における多角的な視点

組織の意思決定において、単一の指標だけで判断を下すことは極めて危険です。例えば「コスト削減」だけを追求すればサービス品質が低下し、逆に「品質向上」だけを追求すれば予算オーバーでプロジェクトが頓挫します。

このように複数の評価軸(多属性評価)を用いて案を比較する手法は、ITプロジェクトの企画や、製品選定、ベンダー選定の現場で日常的に活用されています。試験で問われているのは、「コスト」「品質(効果)」「実行可能性(納期・リソース)」というトレードオフの関係にある要素を、どのようにバランスよく配分して意思決定を行うかというマネジメント能力です。

実務で活用する定量的評価

この手法は、ITパスポートの範囲を越えて、ビジネスのあらゆる場面で活用できます。

例えば、新しい業務システムの導入を検討する際、複数の製品を比較する「RFP(提案依頼書)」の選定過程でこの表と全く同じ考え方が使われます。機能の充実度(効果)、ライセンスや運用保守費(費用)、現場への導入のしやすさ(実行)をそれぞれ点数化し、企業ごとに重視する項目(例:費用は高くても、効果が高いシステムを優先するなど)の比重をかけて総合得点を算出します。

このように、客観的な数値を使いつつ、組織の優先順位を反映させて意思決定を行うスキルは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する担当者やプロジェクトマネージャーにとって必須の素養です。

参考リンク

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