平成25年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問15 解説 BTOの定義
PCの生産などに利用される BTO の説明として,最も適切なものはどれか。
- ア 自社のロゴを取り付けた製品を他社に組み立てさせる。
- イ 製品を完成品ではなく部品の形で保存しておき,顧客の注文を受けてから,注文内容に応じた製品を組み立てる。 ✓ 正答
- ウ 必要な時期に必要な量の原材料や部品を調達することによって,生産工程間の在庫をできるだけもたずに生産する。
- エ 一つの製品を1人の作業者だけで組み立てる。
解説
BTOは「Build To Order」の略語です。受注してから生産する(組み立てる)という特徴を持つキーワードとセットで覚えるのが、この問題を一瞬で解くコツです。選択肢の中に「受注してから」という文言があれば、それが正解の可能性が非常に高いと判断できます。
受注生産方式としてのBTO
BTOは、顧客から具体的な構成(CPUの性能、メモリの容量、ストレージの種類など)の注文を受けてから、メーカーが製品を組み立てて出荷する生産方式を指します。
通常、製品を大量生産して在庫として抱えておくと、売れ残ったときに損失が出たり、最新のパーツが発売されたときに型落ちの製品が在庫として残ったりするリスクがあります。BTOであれば、部品の状態で在庫を管理し、注文が入った段階で組み立てるため、在庫リスクを最小限に抑えつつ、顧客一人ひとりの細かなニーズに対応することが可能です。
紛らわしい選択肢を整理する
ITパスポート試験では、似たような生産管理手法が混同されやすいです。今回挙げられた他の選択肢も確認しておきましょう。
選択肢アの「自社のロゴを取り付けた製品を他社に組み立てさせる」は、OEM(Original Equipment Manufacturer)と呼ばれる方式の説明です。製造能力を持たない企業が他社に委託してブランド製品を作る際によく見られます。
選択肢ウの「必要な時期に必要な量の原材料や部品を調達すること」は、ジャストインタイム(Just In Time)方式の説明です。トヨタ生産方式で有名になった考え方で、在庫を極限まで減らして効率化を目指す手法です。BTOも在庫を減らすという点では似ていますが、定義としては「生産タイミングと調達の同期」に焦点が当たっているため、今回選ぶべき正解ではありません。
選択肢エの「一つの製品を1人の作業者だけで組み立てる」は、セル生産方式などが該当します。多品種少量生産に向いており、作業者が製品の組み立てを完結させるため、責任の所在が明確になるなどのメリットがあります。
生産管理の考え方はなぜ重要か
BTOのような概念は、IT業界のみならず、現代のサプライチェーンマネジメント(SCM)の基本です。ITパスポートでこの知識が問われるのは、情報システムが単にプログラミングをするだけでなく、製造現場の効率化や、無駄のない販売戦略を立てるために欠かせない基盤となっているからです。
例えば、オンラインでパソコンを購入する際に「メモリを16GBに変更する」といった選択肢を選べる仕組みは、まさにBTOのシステムが受注管理から倉庫の部品管理、製造ラインへの指示までをITで統合しているからこそ実現できています。試験問題を通じて、ITとビジネスの結びつきを理解することが、合格への近道となります。