平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問8 解説 TOBの定義
TOBの説明として,最も適切なものはどれか。
- 経営権の取得や資本参加を目的として,買い取りたい株数,価格,期限などを公告して不特定多数の株主から株式市場外で株式を買い集めること ✓ 正答
- 経営権の取得を目的として,経営陣や幹部社員が親会社などから株式や営業資産を買い取ること
- 事業に必要な資金の調達を目的として,自社の株式を株式市場に新規に公開すること
- 社会的責任の遂行を目的として,利益の追求だけでなく社会貢献や環境へ配慮した活動を行うこと
解説
TOBの正解を導くキーワード
TOBは日本語で「株式公開買付け」を意味します。選択肢の中から、「不特定多数」に対し「公告」を行い、「市場外で」買い集めるというキーワードが含まれているものを選びます。これらはTOBの手続き上の特徴であり、問題文の正解を特定するための決定的な根拠となります。
TOB(株式公開買付け)とは
TOB(Take-Over Bid)は、特定の企業の株式を大量に買い集める際の手法の一つです。通常の株式市場(証券取引所)でこっそり買い占めようとすると、株価が急騰し、コストが増大するだけでなく、買い集めたい数に到達できないリスクがあります。
そこで、あらかじめ買い取る価格や期限、株数を公開(公告)して、証券取引所の外で株主から直接株式を買い集めることで、透明性を保ちつつ効率的に経営権を確保しようとする仕組みです。
経営の意思決定とTOBの役割
この知識は、ニュースで企業の買収や経営統合の話が出た際に、その企業がどのような意図を持っているのかを理解するリテラシーとして役立ちます。
例えば、ある企業が別の企業を傘下に入れたい場合、その企業の経営陣と合意の上で行う「友好的TOB」もあれば、経営陣の意向を無視して強引に株式を買い集める「敵対的TOB」もあります。ITパスポート試験では、技術的な知識だけでなく、このように企業活動の根幹となる経営戦略やガバナンスに関する用語も重要視されます。ビジネスパーソンとして、企業がどのような手法で経営権の移動を行っているのかを把握することは、市場の動きを読み解く第一歩となります。
なお、選択肢にあった他の用語も関連知識として整理しておきましょう。
- MBO(Management Buy-Out):経営陣が自社の株式を買い取って経営権を握ること
- IPO(Initial Public Offering):新規株式公開のこと
- CSR(Corporate Social Responsibility):企業の社会的責任のこと