平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問95 解説 平均点と標準偏差
T組とU組の得点分布は, 図4のとおりであった。この二つの組の平均点と標準偏差 に関する記述として, 適切なものはどれか。
- ア 平均点は同じであるが, 標準偏差は異なる。
- イ 平均点は異なるが, 標準偏差は同じである。 ✓ 正答
- ウ 平均点も, 標準偏差も同じである。
- エ 平均点も, 標準偏差も異なる。
解説
図を見て、分布の「中心位置」と「広がりの形状」を比較することで正解を導きます。
解き方:視覚的判断のポイント
平均点の比較(分布の中心) グラフの横軸(得点)に注目します。T組の分布の中心(一番高い山)は5点付近にありますが、U組の中心は4点付近にあります。分布の重心となる平均点は異なります。
標準偏差の比較(分布の広がり) グラフ全体の「山」の形に注目します。T組の分布(1, 3, 9, 7, 5, 3, 1の構成)と、U組の分布(1, 3, 5, 9, 7, 3, 2の構成、※図の数値配置を見ると山が平行移動した形です)を比べると、左右への散らばり具合が同じであることがわかります。標準偏差は「データの散らばり」を示すため、この場合は同じと判断します。
平均点と標準偏差の基本概念
ITパスポートで登場する統計の基礎知識として、これら2つの指標は非常に重要です。
平均点(算術平均) データの合計値をデータ数で割った値です。グラフで見ると、左右対称な分布であれば、一番高い山になっている箇所が平均点となります。平均点は「全体がどのあたりの値に集まっているか」という中心的な傾向を示します。
標準偏差 データが平均値からどれくらい離れているか、その「散らばりの大きさ」を表す指標です。標準偏差が小さいほどデータは平均値付近に密集しており、標準偏差が大きいほどデータは広い範囲にバラついていることを意味します。グラフ上で山が左右にどのくらい広がっているかを見ることで、感覚的に掴むことができます。
実務やビジネスでの活用シーン
この知識は、IT現場での「品質管理」や「パフォーマンス分析」に直結します。
例えば、あるシステムが処理を完了するまでにかかる時間(レスポンスタイム)を計測したとします。平均値を確認することで、処理にかかる一般的な所要時間を把握できます。一方で、標準偏差を確認することで、「どのリクエストも平均的な時間で処理されているのか(偏差が小さい)」あるいは「処理時間が極端に速い場合と遅い場合が混在しているのか(偏差が大きい)」というサービスの安定性を評価できます。
データを見る際に「平均点だけ」で判断せず、その背景にある「散らばり具合(標準偏差)」まで考慮することで、より正確に現状を分析し、改善すべき課題(システムの遅延や性能の不安定さなど)を見つけることができるようになります。