平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問96 解説 平均と標準偏差の解釈
P~S組の平均点と標準偏差は, 表2のとおりであった。この四つの組の中で, 他の 組に比べて成績が良くも悪くもなく, また, 多くの受講生がその組の平均点に近い 得点をとった組があった。その組では, 得点が4~6点だった受講生の割合が他の組 に比べて最も多かった。その組はどれか。
- ア P
- イ Q
- ウ R ✓ 正答
- エ S
解説
この問題を解くためのポイントは「標準偏差」の意味を正しく理解することです。以下の手順で考えます。
- 成績が良くも悪くもない組:平均点が最も中立(例えば全体の中央値など)に近い組を探します。今回は表から5.00点であるR組またはS組が該当します。
- 平均点に近い得点の受講生が最も多い組:これは「データの散らばり」が最も小さい組、すなわち標準偏差の値が最も小さい組を探すことと同義です。
これらを満たすのは、平均点が5.00点で、かつ標準偏差が1.02と最も小さいR組となります。
標準偏差が示すデータの性質
標準偏差とは、データが平均値からどれくらい散らばっているかを表す指標です。
- 標準偏差が大きい:データが平均値から離れたところに広く散らばっている状態
- 標準偏差が小さい:データが平均値の周辺に固まって集中している状態
この問題では「平均点に近い得点をとった受講生が最も多い」という条件があります。これは、得点の分布が平均値に集中している(=標準偏差が小さい)組を選ぶ必要があります。計算をする必要はなく、提示された数値のうち、標準偏差が最も小さいものを選択すればよいのです。
ビジネスや統計データ分析における活用
ITパスポート試験でこの知識が問われるのは、システム開発のプロジェクト管理や、サービスの利用状況を分析する場面を想定しているためです。
例えば、あるWebサイトの「ユーザーの滞在時間」を分析する場合、平均値だけを見ると5分であっても、標準偏差が大きい場合は「全く滞在しない人」と「長時間滞在する人」に二極化している可能性があります。一方で標準偏差が小さい場合は「ほとんどのユーザーが5分程度滞在している」ことがわかります。このように、平均値だけでなく標準偏差を確認することで、データ全体の傾向やバラつきを正しく把握し、サービスの改善方針を決定する際の重要な判断材料となります。