ITパスポート試験 / 平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問97
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平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問97 解説 交通費精算の業務改善

別表1

中間D 交通費精算業務の改善に関する次の記述を読んで,四つの問いに答えよ。 広告代理店のA社では,申請者が経理部に回付した交通費精算伝票(以下,伝票 という)を使って,顧客訪問時に発生した交通費の精算業務を行っている。 〔現在の交通費精算業務の流れ〕 (1) 申請者は,伝票に申請者名,社員番号,経費科目,顧客番号,利用日,利用 区間,金額及び合計金額を記入する。押印後,事務担当者に回付する。 (2) 事務担当者は,申請内容を精査し,誤りがなければ伝票を承認者に回付する。 誤りがあれば,伝票を申請者に差し戻す。 (3) 承認者は,承認又は否認の決裁を行う。内容が適切であった場合には承認して, 事務担当者に回付する。内容が適切でなければ否認して,申請者に差し戻す。 (4) (2)又は(3)で差し戻された場合,申請者は伝票を修正し,再度事務担当者に 回付する。 (5) 事務担当者は,承認者から回付された当日分の承認済み伝票を取りまとめ, 伝票番号を採番し,経理部に回付する。 (6) 経理担当者は,事務担当者から回付されたから回付された承認済み伝票の支払処理を行う。 交通費精算を効率よく行うために,データベースを活用して,次に示す機能要件 の交通費精算システム(以下,精算システムという)を構築することにした。 〔精算システムの機能要件の一部〕 (1) 社員番号でログオンする。社員番号によって,社員表から申請者名を抽出し, 申請画面の共通項目として設定する。 (2) 申請画面の明細として,顧客番号,利用日,利用区間と金額を入力する。1 回の申請で複数の顧客訪問に対する明細が入力できる。また,合計金額の算出, 経費科目の設定及び伝票番号の自動採番を行う。ここで経費科目として,交通 費を自動設定する。 (3) 申請後,事務担当者が精査を行い,自動的に承認者に通知が行く。承認者は 決裁画面で承認か否かを選択する。 (4) 支払画面で承認済み申請を社員ごとに集計し,支払額を算出する。

  1. ア. 申請者が伝票に記入する項目を減らすことができる。 ✓ 正答
  2. イ. 事務担当者が行う精査の回数を減らすことができる。
  3. ウ. 承認者が行う決裁の回数を減らすことができる。
  4. エ. 経理担当者が行う支払処理の回数を減らすことができる。

解説

この問題は、システム化の要件(何が自動化されるか)と、現行の業務(何を手作業で行っているか)を照らし合わせることで正解を導くことができます。

問題文の「機能要件(1)」に注目してください。「社員番号でログオンする。社員番号によって、社員表から申請者名を抽出し、申請画面の共通項目として設定する」とあります。これ以前の業務では、申請者が自分の名前を手書きで記入していました。システム化によってこの作業が自動入力に置き換わるため、申請者の記入項目が減ることは明らかです。

なぜ他の選択肢は不正解なのか

システム導入の目的は業務効率化ですが、すべてが短縮されるわけではありません。各選択肢を検証しましょう。

イ. 事務担当者が行う精査の回数:精査自体はシステム化後も必要です。また、システムによって承認プロセスが「通知」として自動化されるだけで、精査という工程そのものが削除されるとは明記されていません。 ウ. 承認者が行う決裁の回数:業務のプロセスが電子化されるだけで、承認という業務工程自体が減るわけではありません。 エ. 経理担当者が行う支払処理の回数:機能要件(4)で「支払額を算出する」とありますが、これは集計作業の効率化を意味しています。経理担当者が「支払処理を行う」という実務回数は、支払先の数やルールが変わらない限り減るとは限りません。

システム開発における要件定義の重要性

この問題は、ITパスポートで頻出する「現状分析(As-Is)」と「あるべき姿(To-Be)」のギャップを埋めるための知識を問うています。

システム開発の現場では、いきなりコードを書くのではなく、まずどのような機能が必要かを洗い出す「要件定義」を行います。この際、単に「システムを導入すれば便利になる」と考えるのではなく、「どの工程が自動化され、誰の作業がどれだけ楽になるのか」を具体的に定義することが重要です。

実際の業務でも、この問題のように「マスターデータ(社員表など)を活用して入力項目を減らす」ことは、入力ミス(ヒューマンエラー)を防ぎ、データの整合性を保つための定石として広く活用されています。例えば、顧客番号を入力するだけで住所や担当者が自動的に表示されるCRMシステムなども、同じ仕組みを用いて業務効率化を図っています。

参考リンク

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