平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問25 解説 OJTの定義
OJTに該当する事例として, 適切なものはどれか。
- ア 新任管理職のマネジメント能力向上のために, 勉強会を行った。
- イ 転入者の庶務手続の理解を深めるために, 具体的事例を用いて説明した。
- ウ 販売情報システムに関する営業担当者の理解を深めるために, 説明会を実施した。
- エ 部下の企画立案能力向上のために, チームの販売計画の立案を命じた。 ✓ 正答
解説
この問題は、OJT(On-the-Job Training)とOff-JT(Off-the-Job Training)の定義を区別できるかがポイントです。判断基準は「実際の業務そのものを行っているか」にあります。
OJTとOff-JTの判別ポイント
OJTとは「職場内訓練」を指します。日常の業務そのものを教材として、上司や先輩が部下に実務を通じて指導を行う手法です。一方で、Off-JTは「職場外訓練」であり、通常業務から離れてセミナー、講習会、勉強会などに参加するスタイルを指します。
今回の選択肢を整理してみましょう。
ア:勉強会は業務から離れた場所や時間で行われるためOff-JTです。 イ:説明会や研修形式での説明は、実務と切り離されているためOff-JTです。 ウ:説明会はOff-JTの代表的な形式です。 エ:実際の「販売計画の立案」という業務そのものを任せ、そのプロセスを通じて成長を促しているため、これがOJTです。
なぜこの知識が重要なのか
ITの現場においても、教育訓練は非常に重要です。システム開発や運用保守の現場では、座学だけで学べることには限界があります。
例えば、新しいプログラミング言語や設計手法を学ぶ際はOff-JT(オンライン講座やセミナー)が適していますが、実際のプロジェクトにおける「チームでの開発手順」や「顧客との折衝」といった実践的なスキルは、実務を通じてしか身につきません。
試験の意図としては、IT部門の管理職として、部下の育成プランを立てる際に「座学(Off-JT)でインプットさせるべきか」それとも「実務(OJT)で経験させるべきか」を適切に見極める判断力を問うています。適材適所でこれらを組み合わせることは、組織の生産性を最大化するための重要なマネジメントスキルといえます。
実践におけるOJTの注意点
OJTが効果的だからといって、ただ業務を丸投げすればよいわけではありません。効果的なOJTには以下の要素が求められます。
- 指導計画の策定:何ができるようになる必要があるかを明確にする
- 適度な難易度:本人の能力に対して高すぎず低すぎない業務を与える
- フィードバック:やりっぱなしにせず、成果物に対して上司が助言や修正を行う
これらを満たすことで、初めて単なる労働の押し付けではない、価値ある教育訓練となります。