平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問44 解説 品質管理と流れ図
システム開発プロジェクト遂行における品質管理を行うために,開発工程の流れ図を作成した。当該流れ図の利用目的として,適切なものはどれか。
- ア 作業プロセスのどこでどのような問題が発生しうるかを検討する。 ✓ 正答
- イ システムの使用率が予測された範囲内であるか否かを判断する。
- ウ プロジェクト遂行上の重大な問題とその潜在的な原因の関連を明確にする。
- エ 最も多くの問題を生じさせている原因の解決に取り組むため,問題の原因別発生頻度を把握する。
解説
正解を導くための考え方
この問題は、品質管理の手法(QC七つ道具など)が持つそれぞれの役割を正しく理解しているかを問うものです。「流れ図」という言葉を見たときに、その図が何のために使われるのかをピンポイントで判断できれば正解できます。
流れ図(フローチャート)はプロセスの順序を図示するものです。したがって、作業の流れを可視化し、どこが複雑か、どの手順でミスが起きやすいかといった、リスクの芽(問題発生の可能性)を探るために利用されます。
QC七つ道具における各図法の役割
試験対策として、選択肢に登場した手法と、その目的を整理して覚えることが重要です。
・流れ図:プロセスの手順を可視化し、作業効率やリスクの所在を分析する。 ・パレート図:問題の原因別の発生頻度を並べ、優先順位を決める(選択肢エの内容)。 ・特性要因図:問題(特性)と、その潜在的な原因の関連を魚の骨のような図で表す(選択肢ウの内容)。 ・管理図:工程が安定した状態にあるかを判断するために、データの推移を時系列で追う。
選択肢イの「システムの使用率が予測範囲内であるか」を判断する手法としては、特定の図法というよりは、シミュレーションやキャパシティ管理の指標を用いるのが一般的です。
なぜこの知識が重要なのか
ITパスポート試験においてこれらの手法を学ぶ理由は、単に用語を暗記させることではありません。実際のシステム開発現場で「問題解決」を行う際に、どの道具を手に取れば最短で答えにたどり着けるかという判断力を養うためです。
例えば、プロジェクトで不具合が多発している際に、闇雲に修正を繰り返すのではなく、特性要因図を使って「なぜ起きているのか」を深掘りしたり、パレート図を使って「一番影響の大きい箇所はどこか」を特定したりします。流れ図は、そもそも作業手順に無理や無駄がないかを確認する「プロセスの健全化」に不可欠なツールです。これらを知っているだけで、トラブル対応の初動が大きく変わります。
品質管理の手法を選択する基準
問題解決のプロセスにおいては、状況に応じてツールを使い分ける必要があります。
・全体像を把握したいなら「流れ図」 ・大きな問題から順に手をつけるなら「パレート図」 ・原因を論理的に構造化したいなら「特性要因図」
このように、それぞれの図が「何を見つけるためのものか」を明確にしておくと、本番の試験でも迷わず解答を導き出せるようになります。特に「原因」というキーワードが出たら特性要因図、「頻度」が出たらパレート図、というように対応関係を紐づけて記憶しておきましょう。