平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問56 解説 ホットスタンバイ方式
ホットスタンバイ方式の説明として,適切なものはどれか。
- インターネット上にある多様なハードウェア,ソフトウェア,データの集合体を利用者に対して提供する方式
- 機器を2台同時に稼働させ,常に同じ処理を行わせて結果を相互にチェックすることによって,高い信頼性を得ることができる方式
- 予備機をいつでも動作可能な状態で待機させておき,障害発生時に直ちに切り替える方式 ✓ 正答
- 予備機を準備しておき,障害発生時に運用担当者が予備機を立ち上げて本番機から予備機へ切り替える方式
解説
ホットスタンバイの判別ポイント
この問題は、システムの可用性(止まらない仕組み)に関する用語を正確に分類できているかが鍵です。「ホット」「コールド」といった温度に関連する言葉が、予備機の準備状態を表していると理解すれば迷わず解けます。
・ホットスタンバイ:電源が入っていて、いつでも使える状態(即座に切り替え) ・コールドスタンバイ:電源が入っていない、あるいは起動準備が必要な状態(切り替えに時間がかかる)
このように、「準備の熱量」で状態を覚えるのがコツです。
システム構成の分類と特徴
障害発生時に備えて予備機を用意する手法は、切り替えまでの時間によっていくつかのパターンに分類されます。ITパスポートでは、以下の3つを区別できることが重要です。
・ホットスタンバイ方式 予備機を常に稼働させた状態で待機させます。障害が発生した際、自動または速やかに切り替わるため、サービスの中断時間を最小限に抑えることができます。金融システムのオンライン取引や、24時間稼働が求められるWebサイトなどで採用されます。
・コールドスタンバイ方式 予備機を電源オフの状態、あるいはアプリケーションを起動していない状態で保管します。障害が発生した後に、予備機の電源を入れ、必要なデータをセットアップしてから運用を開始します。コストは抑えられますが、サービス停止時間は長くなります。
・デュアルシステム 予備機を待機させるのではなく、2台のコンピュータで同じ処理を同時並行で行います。計算結果を相互に照合し、一致していることを確認してから出力するため、高い信頼性と即時復旧が可能です。ただし、ハードウェアコストは2倍以上になります。
なぜこの知識が必要なのか
システム開発や運用の現場では、予算(コスト)と可用性(止まらなさ)のバランスを常に検討します。すべてを最高レベルの構成にすると莫大な費用がかかるため、「どの程度の障害まで許容できるか」「復旧にどれくらいの時間をかけてもよいか」を設計しなければなりません。
例えば、検索エンジンのようなサービスであれば即時性が重要視されるためホットスタンバイが好まれますが、夜間にまとめて処理を行うバッチ処理などであれば、少し停止時間が長くてもコストの安いコールドスタンバイで十分と判断されることもあります。このように、用語を覚えることは、単なる暗記ではなく、最適なシステム設計を選択するための判断基準を養うことにつながります。