平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問57 解説 論理演算とボックス
図1のように二つの入力に対し, 一つの出力を行うボックスがある。このボックスへの入力は“賛成”か“反対”のいずれかであり, 入力が二つとも“賛成”のときだけ“賛成”と出力し, そのときは“反対”と出力する。図2のように, 三つの入力を二つのボックスに入力したときの出力に関する記述のうち, 正しいものはどれか。
- ア 入力が一つ以上“賛成”のときは常に, “賛成”と出力する。
- イ 入力が二つ以上“賛成”のときは常に, “賛成”と出力する。
- ウ 入力が二つ以上“反対”のときだけ, “反対”と出力する。
- エ 入力が三つとも“賛成”のときだけ, “賛成”と出力する。 ✓ 正答
解説
この問題は、論理回路における「AND(論理積)演算」の性質を理解しているかを問うものです。
問題を解くためのポイントは、ボックスの動作を「すべて条件を満たしたときだけ、ある結果を返す」というルールに置き換えることです。図1のボックスは「入力が両方とも賛成のときだけ、賛成と出力する」とあるため、これは数学やコンピュータの世界でいう「AND回路」と同じ動作です。
図2のように2つのボックスを連結した場合、左側のボックスの出力結果が、右側のボックスの入力として使われます。つまり、最終的な出力が「賛成」となるためには、「入力1と入力2が両方とも賛成であること(左側のボックスが賛成を出力)」かつ「入力3が賛成であること(右側のボックスのもう一方の入力が賛成であること)」という2つの条件が同時に成立する必要があります。結論として、すべての入力が「賛成」のときのみ、最終出力が「賛成」となります。
論理演算(AND)の考え方
コンピュータは、すべての情報を0と1(または偽と真、反対と賛成)の組み合わせで処理しています。この問題のボックスは、以下の真理値表で表すことができます。
- 入力1:反対、入力2:反対 → 出力:反対
- 入力1:反対、入力2:賛成 → 出力:反対
- 入力1:賛成、入力2:反対 → 出力:反対
- 入力1:賛成、入力2:賛成 → 出力:賛成
このように、複数の条件がすべて揃ったときにのみ結果を得るという考え方は、論理演算の基本である「論理積(AND)」と呼ばれます。図2のようにボックスを直列につなぐと、条件の数が一つずつ増えていく構造になります。
この知識の活用場面
この論理演算の考え方は、プログラミングやシステム構築のあらゆる場面で活用されています。例えば、Webサイトのログイン機能や、プログラミングの条件分岐を考えてみましょう。
「会員IDが一致する」かつ「パスワードが正しい」かつ「有効期限内である」という3つの条件をすべてクリアしたときだけログインを許可する、といった処理は、まさにこの問題と同じ論理構成です。また、データベース検索で「キーワードA」と「キーワードB」の両方を含む記事を探す「AND検索」も、同じ論理演算の仕組みを使っています。
ITパスポート試験では、こうした抽象的なロジックを、現実のシステムや日常的な判断基準に置き換えて理解することが合格への近道です。複雑な回路図が出てきても、論理の「つなぎ方」を一つずつ分解して追いかけていけば、必ず答えにたどり着くことができます。