平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問69 解説 システムのMTBF
あるコンピュータシステムの故障を修復してから60,000時間運用した。その間に 100回故障し,最後の修復が完了した時点が60,000時間目であった。MTTRを60時 間とすると,この期間でのシステムのMTBFは何時間となるか。
- ア 480
- イ 540 ✓ 正答
- ウ 599.4
- エ 600
解説
計算のステップ
MTBF(平均故障間隔)は、以下の手順で算出します。
- 故障による停止時間の合計を求める(故障回数 × MTTR) 100回 × 60時間 = 6,000時間
- 正味の稼働時間を求める(運用期間全体 - 停止時間の合計) 60,000時間 - 6,000時間 = 54,000時間
- 稼働時間を故障回数で割る 54,000時間 ÷ 100回 = 540時間
この計算により、答えは540時間となります。
MTBFとMTTRの定義
この問題は、システムの信頼性や保守性を表す指標であるMTBFとMTTRの関係性を理解しているかを問うものです。
MTBF(Mean Time Between Failures)は平均故障間隔と呼ばれ、ある故障が復旧してから次の故障が発生するまでの平均時間のことです。システムがどれだけ安定して稼働し続けられるかを示す信頼性の尺度となります。
一方、MTTR(Mean Time To Repair)は平均復旧時間と呼ばれ、故障が発生してから復旧するまでの平均時間です。こちらはシステムが故障した際にどれだけ素早く復旧できるかを示す保守性の尺度となります。
よく混同されがちですが、全運用時間(稼働時間+停止時間)をそのまま故障回数で割ってしまうと誤った値になる点に注意が必要です。MTBFの計算では、分母となる時間は「システムが実際に動いていた時間(稼働時間)」に限定しなければなりません。
実務における重要性
システムの可用性(稼働し続ける能力)を計画する際、この考え方は非常に重要です。例えば、クラウドサービスのSLA(サービス品質保証)を策定したり、サーバーの増設や冗長化が必要か判断したりする際に活用されます。
具体的には、MTBFが短いということは、故障が頻発することを意味するため、部品交換のサイクルを早める、あるいは高耐久なパーツへの見直しが求められます。また、MTTRが長い場合は、障害検知から復旧までの手順書を見直す、自動化ツールを導入して作業工数を減らすといった改善策を検討する材料になります。
ITパスポート試験において、この計算問題は「稼働時間=全時間-停止時間」という構造さえ押さえていれば確実に得点できる得点源です。IT運用の現場でも、システムがどれくらいの頻度で壊れ、壊れたらどれくらいで直るのかを定量的(数字)に把握することは、安定稼働のための基本といえます。