ITパスポート試験 / 平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問4
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平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問4 解説 システム化構想

システム化構想の立案の際に,前提となる情報として,適切なものはどれか。

  1. ア 経営戦略 ✓ 正答
  2. イ システム要件
  3. ウ 提案依頼書への回答結果
  4. エ プロジェクト推進体制

解説

システム開発の最も初期の段階である「上流工程」の順序を整理しましょう。システム化構想の立案は、組織の目的をITでどう実現するかを考える最初のステップです。したがって、その判断材料となるのは、企業が目指す方向性を示す経営戦略であると判断します。

ITをビジネスに役立てるための出発点

企業がシステムを作る理由は、単に最新の技術を使いたいからではなく、ビジネス上の課題を解決したり、売上を伸ばしたりするためです。そのため、具体的なシステムの内容を考える前に、まず会社全体として何を達成したいのかという経営戦略が明確になっていなければなりません。

システム化構想の立案とは、この経営戦略という抽象的な目標を、どのようなITシステムによって支えるかを検討するプロセスです。例えば「海外への販路を拡大する」という経営戦略があれば、それを実現するために「多言語対応のECサイトを構築する」といったシステム化構想が生まれます。

開発プロセスの流れと選択肢の分類

ITシステムの開発は、一般的に「共通フレーム(SLCP)」と呼ばれる標準的な流れに沿って進められます。この問題に登場する用語を、時間の経過とともに並べると以下のようになります。

  1. 経営戦略(前提条件) 組織が将来どうありたいかを示す指針です。

  2. システム化構想の立案(問題のフェーズ) 経営戦略に基づき、システム化の範囲や費用対効果の概算、全体像を検討します。

  3. システム化計画の立案 構想をより具体化し、プロジェクトのスケジュールや予算、開発体制を決定します。プロジェクト推進体制(選択肢エ)はこの段階、またはその直前で具体化される情報です。

  4. 要件定義 利用者が必要とする具体的な機能を洗い出します。システム要件(選択肢イ)は、この段階で決定される詳細な仕様のことです。

  5. 調達(RFPの送付と回答) 開発を外部に依頼する場合、提案依頼書(RFP)をベンダーに送り、その回答(選択肢ウ)を得て発注先を選定します。これは要件定義が終わった後に行われる作業です。

このように、選択肢イ、ウ、エはいずれもシステム化構想よりも後の工程で決まる情報、あるいは構想の結果として生まれる情報であるため、前提条件としては不適切です。

なぜ経営戦略が重要視されるのか

この問題の背景には、IT投資の失敗を防ぐという教育的な意図があります。

過去、多くの企業で「システムを作ること自体が目的化してしまい、完成したもののビジネスの役に立たない」という失敗が繰り返されてきました。これを防ぐためには、開発の最も上流である構想段階で、経営層の意向や事業の目的(経営戦略)とシステムが正しく紐付いているかを確認しなければなりません。

ITパスポート試験において、システム開発に関する問題が出た際は「常にビジネスの目的(経営)が最上位にある」という原則を意識することで、多くの選択肢を正しく見極めることができます。

参考リンク

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