平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問13 解説 RFIDの活用
RFIDを活用することによって可能となるシステムはどれか。
- ア 遠隔地からネットワークを介し,患者の画像や音声データを送受信して医療活動を行う。
- イ キャッシュカードを使い,銀行のATMから現金の預け入れや払い出しを行う。
- ウ 店頭での販売時に,商品に貼付されたバーコードから商品情報を読み取り,販売情報管理や発注処理を行う。
- エ 配送荷物に電子タグを装着し,荷物の輸送履歴に関する情報の確認を行う。 ✓ 正答
解説
RFID(Radio Frequency Identification)は、電波を用いてICタグ(電子タグ)に書き込まれた情報を非接触で読み書きする技術です。この問題では、選択肢の中にRFIDの別名である電子タグという言葉が含まれているエが正解となります。
RFIDの仕組みと特徴
RFIDは、情報を記録したICチップと電波を送受信するためのアンテナを内蔵した電子タグ(RFIDタグ)を使用します。身近な例では、交通系ICカードや、アパレルショップの商品タグなどに活用されています。
従来のバーコード(選択肢ウ)と比較すると、以下のような優れた特徴があります。
- 非接触での読み取り:電波を使うため、タグが箱の中に隠れていたり、汚れていたりしても読み取りが可能です。
- 複数一括読み取り:複数のタグを同時にスキャンできるため、棚卸しなどの作業時間を劇的に短縮できます。
- データの書き換え:一度記録した情報を後から更新することが可能です。
- 離れた場所からの認識:数センチから数メートルの距離があっても情報を読み取ることができます。
選択肢の解説
ア 遠隔地からネットワークを介し,患者の画像や音声データを送受信して医療活動を行う。 これは遠隔医療やテレメディシンと呼ばれる仕組みです。通信ネットワークを活用した仕組みであり、特定の個体を識別するRFIDの技術とは直接関係ありません。
イ キャッシュカードを使い,銀行のATMから現金の預け入れや払い出しを行う。 従来のキャッシュカードは磁気ストライプや接触型のICチップを用いて情報を読み取ります。ATMにカードを挿入して物理的に接触させる必要があるため、非接触技術を主眼とするRFIDの代表例とは異なります。
ウ 店頭での販売時に,商品に貼付されたバーコードから商品情報を読み取り,販売情報管理や発注処理を行う。 これはPOS(Point Of Sale)システムの説明です。バーコードは光学的に情報を読み取るため、スキャナーをバーコードにかざす必要があり、RFIDのような一括読み取りや非接触での遠隔読み取りはできません。
エ 配送荷物に電子タグを装着し,荷物の輸送履歴に関する情報の確認を行う。 正解です。荷物の一つひとつに電子タグを付与することで、倉庫のゲートを通過するだけで自動的に検品を行ったり、配送状況をリアルタイムで追跡したりすることが可能になります。
試験対策としてのRFID
ITパスポート試験において、RFIDはIoT(Internet of Things)を支える重要な技術の一つとして頻出します。特に物流(ロジスティクス)や在庫管理の効率化という文脈で出題されることが多いです。
この技術を学ぶ意義は、アナログな物体をデジタルデータとして管理する仕組みを理解することにあります。例えば、ユニクロなどの店舗で買い物カゴを置くだけで一瞬で会計が終わるセルフレジは、RFIDのメリット(複数一括読み取り)を最大限に活かした実例です。このように、ビジネス現場での生産性向上や、デジタルトランスフォーメーション(DX)を具体化する技術としてRFIDを捉えておきましょう。