平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問15 解説 製品の最大生産可能数
製品1個を製造するためには, A原料10kgとB原料5kgが必要である。1か月当たりの 原料使用可能量が, A原料は60kg, B原料は40kgである場合, 1か月当たりの製品の最 大生産可能数は何個か。
- ア 4
- イ 6 ✓ 正答
- ウ 8
- エ 10
解説
原料ごとの限界値を計算して最小値を選ぶ
この問題は、2つの原料それぞれについて「その原料だけで考えた場合に最大何個作れるか」を個別に計算し、数値が小さい方(制約が厳しい方)を選択することで正解を導けます。
手順1:原料Aによる制限を計算する 原料Aの在庫は60kg、製品1個につき10kg使うため、個が限界です。
手順2:原料Bによる制限を計算する 原料Bの在庫は40kg、製品1個につき5kg使うため、個が限界です。
手順3:比較して結論を出す 原料Aは6個分、原料Bは8個分の在庫がありますが、製品を1個作るには両方の原料が必要です。原料Aを使い切った時点で製造は止まってしまうため、全体の最大生産数は少ない方の数値である6個となります。
システムの全体能力を決めるボトルネックの概念
この問題の背景には、経営工学や生産管理で重要視されるボトルネックという考え方があります。複数の要素が組み合わさって動く工程において、全体の出力(スループット)を制限している要素のことをボトルネックと呼びます。
今回のケースでは、原料Bには余裕がありますが、原料Aが先に尽きてしまいます。この場合、原料Aがボトルネックです。いくら原料Bを大量に仕入れたとしても、ボトルネックである原料Aの供給量が増えない限り、製品の完成数を増やすことはできません。
この考え方はITの世界でも不可欠です。例えば、どんなに高性能なCPUを搭載したパソコンであっても、メモリが極端に少なければ全体の動作は遅くなります。システム全体の性能を向上させたいときは、まずどこがボトルネックになっているかを特定し、そこを重点的に改善する必要があります。
リソース管理と最適化の教育的意図
ITパスポート試験でこのような生産計画の計算が出題されるのは、限られた経営資源(リソース)を論理的に把握する力を養うためです。
ビジネスの現場では、人手、予算、時間、機材など、あらゆるリソースに上限があります。プロジェクトマネジメントにおいて「この人員数で、この期間内に、最大いくつのタスクをこなせるか」を計算する際も、今回のような比較検討のロジックがそのまま使われます。
単に数字を計算するだけでなく、複数の条件が重なったときに、どの条件が全体のブレーキになっているのかを見抜く視点を身につけることが、この問題の学習の目的です。