平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問65 解説 OSSの定義
OSS(Open Source Software)に関する記述のうち, 適切なものはどれか。
- ア ソースコードは, 一般利用者に開示されていない。
- イ ソースコードを再配布してはいけない。
- ウ ソフトウェアのセキュリティは, 開発者によって保証されている。
- エ 著作権は放棄されていない。 ✓ 正答
解説
正解の選び方:権利とルールの有無を判断する
OSS(オープンソースソフトウェア)に関する問題は、以下の3つのポイントを整理しておくと迷わなくなります。
- ソースコードは誰でも見られる(公開されている)
- 著作権は放棄されていない(著作権者の権利は存続している)
- 利用にはライセンスに従う必要がある(自由に使ってよいわけではなく、ルールがある)
今回の選択肢では、エ以外のすべてが「OSSの定義やライセンスの考え方」と逆の内容を述べているため、消去法でエが正解となります。
OSSはタダで使い放題ではない
オープンソースという言葉から、すべてが自由で、著作権も権利も存在しない「パブリックドメイン(公有)」のようなものだと誤解されがちですが、それは間違いです。
OSSは、著作権者がソースコードを公開し、一定の利用ルール(ライセンス)のもとで、第三者が自由に利用・改変・再配布することを許可しているソフトウェアです。つまり、著作権は依然として開発者やコミュニティに帰属しており、勝手に改ざんしたり、ライセンス条件を無視したりすることはできません。
なぜ著作権が重要なのか
著作権が放棄されていないことで、OSSには以下のようなメリットと注意点が生まれます。
まず、ライセンス(GPLやMITライセンスなど)によって利用条件が定められているため、利用者は安心してソフトウェアを組み込むことができます。また、著作権があるからこそ、元の開発者の名誉や開発の方向性を守りつつ、技術を広く普及させることが可能になります。
ITパスポート試験で「セキュリティは開発者が保証する」といった誤りの選択肢が出る背景には、企業がOSSを採用する際の「自己責任の原則」を理解しているか問う意図があります。市販の商用ソフトとは異なり、OSSは「現状のまま提供される」ことが多く、バグの修正やセキュリティ対応は、基本的に利用者自身がコミュニティの動向を追いかけて自ら行う必要があるのです。
ビジネス現場での活用
実際の業務現場でOSSを利用する際は、利用するライセンスの種類を確認することが非常に重要です。例えば、GPLライセンスのコードを含んだソフトウェアを作成した場合、その成果物も同じライセンスで公開しなければならない(コピーレフト)という制約がある場合があります。
エンジニアやIT管理者は、単に「OSSは無料だから使う」のではなく、「そのライセンス条件が自社のビジネスモデルや配布形態に適合しているか」を判断する能力が求められます。この問題は、OSSを権利関係とルールの両面から正しく理解しているかを問う、実務に直結した知識といえます。