平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問77 解説 通信プロトコル
通信プロトコルに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア アナログ通信で用いられる通信プロトコルはない。
- イ 国際機関が制定したものだけであり,メーカが独自に定めたものは通信プロトコルとは呼ばない。
- ウ 通信プロトコルは正常時の動作手順だけが定義されている。
- エ メーカやOSが異なる機器同士でも,同じ通信プロトコルを使えば互いに通信することができる。 ✓ 正答
解説
通信プロトコルの基本を理解する
この問題は、通信プロトコルの定義さえ理解していれば、迷わず選択肢エを選べる問題です。通信プロトコルとは、コンピュータ同士が通信を行うための約束事です。異なるメーカーやOSで作られた機器であっても、同じルール(プロトコル)を話すことができれば、問題なくデータを受け渡しできるという点が最大のポイントです。
通信プロトコルとは何か
プロトコルは、人間同士の「言語」に例えると分かりやすくなります。例えば、一人が日本語しか話せず、もう一人が英語しか話せない場合、二人は意思疎通ができません。しかし、両者が「英語」という共通のルールを習得していれば、問題なく会話が成立します。
ITの世界においても、WindowsとMac、あるいはパソコンとスマートフォンといった異なる機器は、それぞれ作りが異なります。これらがインターネットという巨大なネットワーク上で会話をするために、世界共通の言語であるTCP/IPなどのプロトコルが定義されています。
誤った選択肢の解説
他の選択肢がなぜ誤りなのかを確認することで、プロトコルの理解を深めましょう。
ア:アナログ通信で用いられる通信プロトコルはない。 誤りです。FAX通信に使われるプロトコルや、古くからあるモデム通信のための手順など、アナログ信号のやり取りにもプロトコルは存在します。
イ:国際機関が制定したものだけであり、メーカが独自に定めたものは通信プロトコルとは呼ばない。 誤りです。標準化されたプロトコル(HTTPやTCPなど)以外にも、特定のメーカーが自社の機器同士を接続するために独自に作ったプロトコルも存在し、それらも立派なプロトコルです。ただし、他の機器と接続する際には標準的なプロトコルが使われることが一般的です。
ウ:通信プロトコルは正常時の動作手順だけが定義されている。 誤りです。プロトコルは、通信がうまくいかなかった時や、データが壊れて届いた時の「再送ルール」や「エラー通知」といった異常時の手順も非常に細かく定めています。これがあるおかげで、ネットワーク環境が不安定でも、私たちは正確にWebサイトを閲覧したり、ファイルを送受信したりできるのです。
なぜこの知識が重要なのか
ITパスポート試験においてこの知識が問われるのは、ネットワークの仕組みの基礎が「相互運用性(異なるもの同士が連携できること)」にあるからです。
現代のIT社会では、メーカーの垣根を超えて通信することが前提です。もしプロトコルが一つしかなかったり、特定のメーカーでしか使えなかったりすると、今のインターネットの利便性は実現できていません。プロトコルとは、異なる機器を繋ぐための「架け橋」であるという本質を捉えておくことが、ネットワーク分野の問題を解く鍵となります。