平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問86 解説 アンケート回答の傾向分析
問86 特定の質問項目の評価が低い顧客のアンケートを基にどのような傾向があるかを分析するために、図1のワークシートに、指定した質問項目の評価が2以下のアンケートだけを抽出するアンケート抽出表を追加して、図2のワークシートを作成した。 セルK204に質問項目の項目番号を入力すると、その質問項目の評価が2以下だったアンケートの内容をアンケート集計表から抽出し、アンケート抽出表中の同じ行に複写する。アンケート抽出表中への抽出対象とならなかったアンケートに該当する行のセルには、空欄を格納する。セルJ3には、セルB3~G3の評価のうち、セルK204に入力された項目番号に該当する質問項目の評価が2以下であれば、アンケート集計表のセルB3の評価を返し、そうでなければ空欄を返す式が入力されている。セルJ3に入力されている式はどれか。ここで、セルJ3の式はセルJ3~O202に複写する。
- A. =IF(B3<=2,B3,"") ✓ 正答
- B. =IF(B3<=2,B3,"")
- C. =IF(B3<=2,B3,"")
- D. =IF(B3<=2,B3,"")
解説
この問題の正解はAです。IF関数を用いて「指定した条件(評価が2以下)を満たす場合は値を表示し、満たさない場合は空欄("")にする」という論理構造を正しく組み立てるのがポイントです。
IF関数の基本構造を理解する
表計算ソフトにおけるIF関数は、以下の形式をとります。
- 論理式: 条件を記述します。今回の問題では「評価が2以下」なので、比較演算子を用いて と表します。
- 真の場合: 条件が正しい(True)ときに表示する値です。ここではセルB3の評価をそのまま表示させるため、そのまま を指定します。
- 偽の場合: 条件が正しくない(False)ときに表示する値です。問題文には「そうでなければ空欄を返す」とあるため、空欄を表す記号である (ダブルクォーテーション2つ)を指定します。
これらを組み合わせると、 という数式が導かれます。
なぜこの数式が必要なのか
この問題で求められているのは、膨大なアンケートデータの中から「改善が必要な項目(評価が低いデータ)」だけを別枠で抽出して可視化することです。すべてのデータをただ眺めるだけでは、どの店舗のどのサービスが低い評価を受けているのか一目で把握するのは困難です。
このように、IF関数を使って特定の条件に合致するデータだけをフィルタリング・抽出する手法は、ビジネス現場のデータ分析において最も基礎的かつ強力なスキルです。例えば、売上が目標に届いていない担当者を抽出したり、期日が迫っているタスクを自動的に一覧にしたりするなど、業務効率化のあらゆる場面で活用されています。
応用的な視点:なぜ他の選択肢ではないのか
問題文では「セルK204に入力された項目番号に該当する」という条件が提示されています。本来の実務的な設計では、INDEX関数やMATCH関数、あるいはVLOOKUP関数を組み合わせて「どの項目を参照するか」を動的に切り替える必要があります。しかし、この試験問題においてはセルJ3に直接入力する数式の「IF関数の構文」が正しいかどうかを問うているため、基本的な条件分岐の書き方をマスターしているかが合格への鍵となります。
ITパスポート試験では、関数の細かい仕様を丸暗記するよりも、「どのような条件であれば、どのような結果が返ってくるのか」という論理的な流れを理解することが重要です。