平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問92 解説 値引き後の目標売上数量
Aさんは,粗利向上策としてチャーシューメンの単価を50円値引きして,チャーシューメンの売上数量を増大させることを考えた。値引き前のチャーシューメンの粗利を超えることのできる最も少ない売上数量はどれか。
- ア 82
- イ 84
- ウ 87 ✓ 正答
- エ 90
解説
ステップバイステップの計算手順
この問題は、表からチャーシューメンの現状データを読み取り、値引き後の損益分岐点を求めるプロセスで解きます。
現状の総粗利を求める 図から、チャーシューメン(4行目)の売上数量は75、単価は800円、原価は430円です。 1杯あたりの粗利は 円となります。 現状の総粗利は 円です。
値引き後の1杯あたり粗利を求める 単価を50円値引きするため、新単価は 円になります。 原価は変わらず430円なので、新しい1杯あたりの粗利は 円となります。
目標数量を計算する 値引き後の総粗利が、元の総粗利(27,750円)を超えるために必要な数量 を求めます。不等式は以下の通りです。
数量は整数である必要があるため、86.71875を超える最小の整数は87となります。よって正解はウです。
粗利の概念とビジネスにおける重要性
ここで用いた「粗利(売上総利益)」は、売上高から売上原価を差し引いたもので、企業の収益性の基本となる指標です。ITパスポート試験でこのテーマが頻出するのは、情報システムを用いて売上や利益をリアルタイムに集計・分析する力が、現代のビジネスパーソンに不可欠だからです。
単価を下げるという意思決定は、多くの場合「薄利多売」戦略への転換を意味します。現場レベルでは単に「安くすれば売れる」と考えがちですが、データ分析の観点では「どれだけ販売数を伸ばせば、単価引き下げ分をカバーして以前より利益が出るのか」を具体的に計算する必要があります。
数値シミュレーションの価値
この問題の教育的意図は、表計算ソフトを使った「What-If分析(仮定条件による分析)」の基礎を問う点にあります。
実務では、今回のように「単価を50円変えたらどうなるか」という問いに対して、EXCELやBIツールを用いて即座にシミュレーションを行う場面が多々あります。もしこの計算を怠って値引きを行うと、販売数量が目標に届かず、売上高は上がっても利益が減る「売上至上主義の罠」に陥る危険性があります。ITパスポートで学ぶ知識は、単なる試験対策にとどまらず、データに基づいた経営判断を行うための論理的思考力を養うものといえます。