平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問93 解説 アローダイアグラムの作成手順
問93 アローダイアグラムを作成する手順の a に入れる記述として,適切なものはどれか。 〔手順〕 組立て作業を構成する各工程に対して, a 順番を決め,アローダイアグラムを作成する。
- ア それぞれの経費によって
- イ それぞれの作業の前後関係を調べて ✓ 正答
- ウ それぞれのリスクによって
- エ 担当するメンバのスキルによって
解説
この問題は、アローダイアグラムの目的を理解しているかで判断します。「アローダイアグラム(PERT図)」は、プロジェクトの各作業が「どの順番で」「どういう関係にあるのか」を可視化するための手法です。したがって、作業を書き出す際に最も重要なのは、作業同士の「前後関係」を把握することです。
アローダイアグラムとは何か
アローダイアグラムとは、プロジェクト管理において、作業の流れを矢印(アロー)でつなぎ、全体的な進め方やスケジュールを視覚的に表現する図のことです。
この図を作成することで、以下のようなことが分かります。
- 作業の順序:どの作業が終わってから、どの作業が始められるか。
- 並行作業:どの作業とどの作業が、同時に進められるか。
- クリティカルパス:プロジェクト全体の期間を決定づける、最も時間のかかる作業の連なり。
これらを知るために不可欠なのが「前後関係」です。例えば、「設計」が終わらないと「実装」に進めない、あるいは「資料作成」と「見積もり確認」は並行して進められる、といった依存関係を整理することがアローダイアグラム作成の第一歩となります。
なぜ前後関係が重要なのか
実務のプロジェクト管理では、すべての作業が順番に並んでいるわけではありません。多くの作業が複雑に絡み合っています。もし「前後関係」を無視して図を作ってしまうと、以下のような問題が発生します。
- 必要な作業が漏れる:前の作業を完了させないと始められない作業に着手できなくなる。
- 無駄な待ち時間が発生する:同時並行で進められる作業をわざわざ順番に行い、プロジェクト全体が遅延する。
- リスクの特定が遅れる:どの作業が遅れると全体に響くのかが分からず、対策が後手に回る。
試験で「経費」「リスク」「メンバのスキル」といった選択肢が提示されることがありますが、これらはアローダイアグラムを作成する前、あるいは作成した後に調整する要素です。図の構造そのものを作るための根拠は、あくまで作業同士の依存性、すなわち「前後関係」です。
この知識は、単なる試験対策にとどまらず、将来、業務でタスク管理をする際に非常に役立ちます。何かプロジェクトを進める際に、「この作業の前提条件は何だろう?」「これは並行して進められるだろうか?」と考える癖をつけることで、論理的で効率的な進め方ができるようになります。