平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問94 解説 プロジェクトの完了日数
問94 図1の各工程を予定日数どおりに終了する場合,この組立て作業は何日で完了するか。
- ア 10
- イ 12
- ウ 14
- エ 16 ✓ 正答
解説
この問題は、開始点から終了点まで全ての経路を洗い出し、それぞれの所要日数を合計して、その中で最も大きい数字を探すことで解くことができます。アローダイアグラムにおいて、この最長経路のことを「クリティカルパス」と呼びます。
各経路の所要日数を計算する
図1を左から右へたどり、考えられるすべての経路を合計します。
まず前半部分(AからEまで)を確認します。
- A→B→D→E: 1日+4日+1日 = 6日
- A→D→E: 3日+1日 = 4日
- A→C→D→E: 2日+5日+1日 = 8日
ここで、Dに到達する経路は複数ありますが、Dにたどり着くにはすべての先行作業が終わらなければなりません。そのため、AからDに到達する最短完了日数は、これらの中で最も長い8日(A→C→D→Eの経路)が基準となります。
次に後半部分(EからHまで)を確認します。
- E→F→H: 4日+2日 = 6日
- E→H: 6日 = 6日
- E→G→H: 4日+4日 = 8日
ここでも同様に、EからHまで到達する日数を計算します。Fを経由してもGを経由しても、あるいは直接Hに向かっても、それぞれ所要日数が決まります。
全体を結合すると、最も長い経路は以下のようになります。
- A→C→D→E→G→H: 2日+5日+1日+4日+4日 = 16日
これより、この組立て作業全体が完了する最短日数は16日となります。
クリティカルパスとプロジェクト管理
アローダイアグラムは、複雑なプロジェクトの工程を可視化するための手法です。この図において、作業の遅れがそのまま全体の納期遅延に直結する経路をクリティカルパスと呼びます。今回の計算で求めた16日という数字は、このプロジェクトの最短納期そのものです。
この知識は、実務のプロジェクト管理において非常に重要です。マネージャーはクリティカルパス上の作業を特に重点的に監視し、人員配置やリソースの投入を優先します。逆に、クリティカルパスではない経路上の作業には「余裕時間(フロート)」があるため、多少の遅延が許容されたり、リソースを他の緊急度の高いタスクへ一時的に回したりといった柔軟な対応が可能になります。
試験においてこの問題が出題される背景には、単なる計算能力を問うだけでなく、システム開発や業務改善プロジェクトにおいて、どこがボトルネックになるのかを論理的に判断する視点を養ってほしいという教育的意図があります。