平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問95 解説 工程の余裕日数
問95 図1の工程1と工程2はPさんが担当することになった。工程1が予定日数どおりに完了した後,工程2の開始前に会社を休むことにした。工程2が予定日数どおりに完了すると仮定して,プロジェクトの進行に影響が出ないようにするためには,Pさんは工程2の開始前に最大何日間休むことができるか。ここで,休日の日数は考えないものとする。
- ア 1
- イ 2 ✓ 正答
- ウ 3
- エ 4
解説
この問題は、プロジェクト管理における「余裕期間(トータルフロート)」を求める典型的な問題です。
最短の解き方:クリティカルパスとの差を確認する
プロジェクト全体が遅れないためには、工程2を含まない別のルートが、工程2を経由するルートよりもどれだけ時間がかかるか(余裕があるか)を計算します。
- 工程1〜工程2を経由するルート(A→B→D)の合計日数:1日 + 4日 = 5日
- 同じ開始点・終了点を持つ他のルート(A→D)の合計日数:工程3のみで3日、またはA→C→Dで2日 + 5日 = 7日
最も時間がかかるルート(この場合、工程4と5を経由する7日)が、全体のスケジュールを左右します。工程1と工程2を経由するルートは5日で終わるため、7日までであれば遅れても全体に影響しません。
余裕期間 = 全体の最長ルート(7日) - 工程1と工程2の合計日数(5日) = 2日
したがって、Pさんは最大2日間休むことができます。
トータルフロート(余裕期間)の考え方
この問題で重要なのは、クリティカルパスという概念です。プロジェクトには複数の作業経路がありますが、その中で最も日数がかかる経路をクリティカルパスと呼びます。プロジェクト全体の納期は、このクリティカルパスの長さで決まります。
今回の場合、AからDに到達する経路は以下の3つがあります。
- A → B → D : 1 + 4 = 5日
- A → D : 3日
- A → C → D : 2 + 5 = 7日
Dに到達するために最も時間がかかるのが7日のルートです。他のルートは7日までの間に終われば良いため、その差分だけ「余裕」があることになります。これがトータルフロートの考え方です。
なぜこの知識が重要なのか
ITプロジェクトの現場では、すべての作業が計画通りに進むことは稀です。突発的なトラブルや担当者の休暇などで遅延が発生することは日常茶飯事です。
もし担当している作業がクリティカルパス上にあるなら、1日の遅延も許されません。逆に、余裕がある作業であれば、そこを調整して人的リソースを他の重要なタスクに回すといった柔軟な判断が可能になります。プロジェクトマネージャやリーダーは、常に「どのタスクに余裕があり、どのタスクが納期を決定づけているのか」をアローダイアグラムで見極める能力が求められます。この問題は、単なる計算練習ではなく、プロジェクトのリソース配分を最適化するための基礎体力なのです。