平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問13 解説 SFAの目的
問13 SFAの目的に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア 営業活動で入手した市場ニーズに対応して,製品の改良を図る。
- イ 他の優れた企業の業績や組織の分析を通じて,自社の営業組織の見直しを図る。
- ウ 蓄積された知識やノウハウを組織全体で共有し,営業活動の効率と管理水準の向上を図る。 ✓ 正答
- エ 販売情報を基に,資材の調達から生産,流通,販売までの一連のプロセスを改善して全体の在庫の最適化を図る。
解説
選択の判断ポイント
SFAという用語を見た瞬間に「営業」と「効率化・自動化」というキーワードを結びつけましょう。選択肢の中で「営業活動の効率」に直接言及しているものはウのみです。他の選択肢はすべて別の経営手法を指しているため、消去法でも正解を導き出せます。
SFA(営業支援システム)とは何か
SFAはSales Force Automationの略で、日本語では営業支援システムと呼びます。営業担当者が行っている個別の商談記録、顧客情報、案件の進捗状況などをITシステムで一元管理する仕組みです。
かつて営業活動は、担当者の個人の経験や勘、属人的なノートへの記録に頼ることが多くありました。しかし、SFAを導入することで、誰がどのようなアプローチをして、どの程度の確率で成約に至りそうかといった情報が可視化されます。これにより、組織として最適な営業戦略を立てたり、成功事例を共有して全体の底上げを図ったりすることが可能になります。
なぜ他の選択肢ではいけないのか
試験対策として、各選択肢が示す用語を整理しておくことが重要です。
ア:製品の改良や市場ニーズへの対応を主目的とするのは、マーケティングの活動領域です。特に製品開発に焦点を当てた場合は、プロダクト・ライフサイクル管理(PLM)の視点も関わります。
イ:他社の優れたやり方を分析し、自社の改善に活かす手法をベンチマーキングといいます。特定の営業支援ツールそのものを指す言葉ではありません。
エ:調達から販売までの一連のプロセス(サプライチェーン)全体を最適化する手法は、SCM(Supply Chain Management:供給連鎖管理)です。これは主に在庫管理や物流の効率化を目的としています。
ビジネス現場での活用イメージ
現代の企業において、SFAはCRM(顧客関係管理)システムの一部として組み込まれていることがほとんどです。営業担当者が外出先からスマートフォンで商談結果を入力すれば、マネージャーはリアルタイムで売上予測を確認できます。
この問題の教育的意図は、単に用語の暗記を求めるだけでなく、現代の企業活動においてITがいかにして「営業という人間臭い仕事」を組織的な活動へと変容させているかを理解させる点にあります。営業マン個人の能力に依存する体質から脱却し、誰が担当しても一定の成果が出せる仕組みを作ることこそが、ITパスポート試験で問われるIT活用の本質です。