ITパスポート試験 / 平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 / 問17
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平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問17 解説 コモディティ化の事例

企業の商品戦略上留意すべき事象である“コモディティ化”の事例はどれか。

  1. ア 新商品を投入したところ,他社商品が追随して機能の差別化が失われ,最終的に低価格化競争に陥ってしまった。 ✓ 正答
  2. イ 新商品を投入したところ,類似した機能をもつ既存の自社商品の売上が新商品に奪われてしまった。
  3. ウ 新商品を投入したものの,広告宣伝の効果が薄く,知名度が上がらずに売上が伸びなかった。
  4. エ 新商品を投入したものの,当初から頻繁に安売りしたことによって,目指していた高級ブランドのイメージが損なわれてしまった。

解説

解き方のポイント

コモディティ化とは、製品間の機能や品質の差がなくなり、消費者が「どれを買っても同じ」と感じてしまう現象を指します。この状態になると、顧客は唯一の判断基準を「価格の安さ」に置くようになるため、企業は利益を削る低価格競争に巻き込まれます。選択肢の中で「機能の差別化が失われ、低価格化競争に陥る」と明言しているアが正解となります。

コモディティ化が起こるメカニズム

製品が市場に登場した当初は、新しい機能や優れた性能によって他社と差別化できています。しかし、時間が経過すると競合他社が同様の機能を持った製品を投入したり、技術が一般化したりして、市場に類似品があふれます。

消費者の目から見ると、どのメーカーの製品を選んでも性能に大差がないという認識が広まります。その結果、製品独自の価値(付加価値)が見出しにくくなり、購入の決め手が「ブランド」や「機能」ではなく「価格の安さ」へと移行します。企業は価格を下げることでしか販売数を維持できなくなり、収益性が大幅に悪化する悪循環に陥るのです。

他の選択肢が誤りである理由

イは「カニバリゼーション(共食い)」と呼ばれる現象です。新商品が自社の既存商品の売上を奪ってしまうことで、市場全体のシェア拡大を阻害するリスクを指します。

ウは「マーケティングの失敗」全般を指します。広告戦略やプロモーションの不備が原因であり、コモディティ化のように市場の成熟や製品の均質化を背景とした現象とは異なります。

エは「ブランドイメージの毀損」です。高級戦略をとっていたにもかかわらず、安売りによってブランド価値を自ら下げてしまう経営戦略上のミスを指します。コモディティ化は競合他社による模倣や技術の普及が引き金となることが多いですが、こちらは企業の販売手法に問題があるケースです。

なぜこの知識がITパスポート試験で問われるのか

ビジネスの世界では、一度コモディティ化が始まると価格競争を避けることは非常に困難です。そのため、多くの企業は「継続的なイノベーションによる差別化」や「顧客体験(UX)の向上」「特定ターゲットに絞ったニッチ戦略」など、コモディティ化から脱却するための戦略を模索します。

この問題は、IT関連製品やサービスにおいても非常によく発生します。例えば、かつては高機能だったパソコンやスマホのスペック、あるいはクラウドサービスやプログラミング言語の利用環境なども、技術の進歩とともにコモディティ化が進んでいます。ITパスポートでは、技術そのものだけでなく、その技術がビジネスの収益構造にどのような影響を与えるかを理解することが求められています。

参考リンク

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