平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問26 解説 職能別組織
職能別組織を説明したものはどれか。
- ア ある問題を解決するために必要な機能だけを集めて一定の期間に限って結成し、問題解決とともに解散する組織
- イ 業務を専門的な機能に分け、各機能を単位として構成する組織 ✓ 正答
- ウ 製品、地域などを単位として、事業の利益責任をもつように構成する組織
- エ 製品や機能などの単位を組み合わせることによって、縦と横の構造をもつように構成する組織
解説
この問題は、組織構造の名称とそれぞれの特徴を正しく結びつけられるかを問うています。正解の根拠は「専門的な機能」というキーワードです。この言葉が出てきた時点で「職能別組織」と判断できます。
組織図のパターンを見分けるキーワード
ITパスポート試験で頻出の組織形態は、以下のキーワードで区別すると迷わなくなります。
・職能別組織:専門的な機能(営業、経理、製造など)で分ける。 ・事業部制組織:製品、地域、顧客などの事業単位で分け、その部門ごとに利益責任を持たせる。 ・プロジェクト組織:特定の目的達成のために期間限定で集まる組織。 ・マトリックス組織:機能と製品など、2つの軸を組み合わせた組織。
問題文にある「職能」とは、いわゆる仕事の能力や専門的な役割のことです。会社の中で「経理部」「人事部」「営業部」といった専門分野ごとに部屋を分け、それぞれのプロフェッショナルを集める形態が、最も一般的かつ古典的な組織の形といえます。
なぜこの知識が重要なのか
実務の現場では、組織構造は「誰が意思決定権を持つのか」「どうやって専門性を高めるのか」という経営戦略に直結します。
例えば、職能別組織は、同じ専門知識を持つ人が集まるため、技術の蓄積や効率的な教育がしやすいという強みがあります。しかし、部門同士の縦割りが強くなると「営業部は売ることしか考えない」「製造部は作りやすさしか考えない」といった弊害(セクショナリズム)が生じます。
多くの企業が、成長過程で「職能別」から「事業部制」へ移行したり、複雑な開発プロジェクトのために一時的に「プロジェクト組織」を混在させたりするのは、こうした構造上のメリットとデメリットを状況に応じて使い分ける必要があるからです。ITの導入やDXを進める際も、今の会社がどのような組織構造であり、どの部署がどんな権限を持っているかを把握することは、システム開発や導入の調整を円滑に進めるための不可欠なスキルとなります。
組織形態の比較
今回の選択肢に登場した組織形態を対比させます。
・選択肢ア(プロジェクト組織)は、期間限定という点が最大の特徴です。横断的な課題解決に向いています。 ・選択肢ウ(事業部制組織)は、利益責任という点が特徴です。小さな会社が集まっているようなイメージです。 ・選択肢エ(マトリックス組織)は、縦の指揮命令系統と横のプロジェクト管理が交差します。権限が重なるため調整が難しい反面、専門性と機動力を両立させたい場合に採用されます。
これらの違いを理解しておくと、試験問題で「〇〇という目的を達成するための組織として適切なものはどれか」と問われた際にも、構造の特性から正解を導き出せるようになります。