平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問5 解説 CRMの定義
CRMの前提となっている考え方として,最も適切なものはどれか。
- ア 競争の少ない領域に他社に先駆けて進出することが利益の源泉となる。
- イ 顧客との良好な関係を構築し,維持することが利益の源泉となる。 ✓ 正答
- ウ 製品のライフサイクルを短縮することが利益の源泉となる。
- エ 特定市場で大きなシェアを獲得することが利益の源泉となる。
解説
選択肢の絞り込み方
CRMの名称が「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」であることを思い出せれば、すぐに答えが見つかります。名称の通り「顧客(Customer)」との「関係(Relationship)」を「管理(Management)」する手法ですので、これに関連する選択肢であるイが正解です。ほかの選択肢は、新規市場開拓や製品開発、市場シェアの拡大といった別の経営戦略を指しているため除外できます。
CRM(顧客関係管理)とは何か
CRMは、顧客一人ひとりの属性や購買履歴、問い合わせ内容といったデータを収集・分析し、個々の顧客に合わせた適切な対応を行うことで、顧客との長期的な信頼関係を築く手法です。
かつてのビジネスでは「いかに多くの製品を売るか」という大量販売が主流でしたが、現代では顧客のニーズが多様化しており、また新規顧客を一人獲得するコストは、既存顧客を維持するコストよりも高い(1対5の法則)と言われています。そのため、一度獲得した顧客にいかに長くファンでいてもらい、リピート購入を促すかが企業の収益性を左右するようになっています。
なぜこの知識が重要なのか
ITパスポート試験でこの知識が問われるのは、ITが単なる事務処理の道具ではなく、経営戦略の要になっていることを理解させるためです。
例えば、皆さんがネットショッピングサイトを利用する際、「あなたへのおすすめ」が表示されることはありませんか。これもCRMの代表的な活用例です。過去の購買データから好みを分析し、その顧客が欲しがりそうな製品を提案することで、満足度を高めつつ購入確率を上げることができます。このように、CRMは膨大なデータを扱うため、システム基盤(データベースや分析ツール)と経営戦略をセットで考える能力が求められます。
試験対策としては、単に言葉の意味を覚えるだけでなく、「CRM=データを活用して一人ひとりの顧客を大切にし、長く付き合うための仕組み」とイメージできるようにしておくと、応用問題にも対応しやすくなります。