ITパスポート試験 / 平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問22
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平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問22 解説 バックアップとハウジング

自然災害などによるシステム障害に備えるため,自社のコンピュータセンタとは 別の地域に自社のバックアップサーバを設置したい。このとき利用する外部業者の サービスとして,適切なものはどれか。

  1. ア ASP
  2. イ BPO
  3. ウ SaaS
  4. エ ハウジング ✓ 正答

解説

この問題は、災害対策として遠隔地に「自社のバックアップサーバ」を「設置する」際に利用する外部サービスを問うものです。

設問の解き方と正解のポイント

自然災害などのシステム障害に備えるため、現在のコンピュータセンタとは別の地域に「自社の」バックアップサーバを「設置する」という状況を想定します。ここで重要なのは、「自社のサーバを設置する物理的な場所や環境」を提供するサービスを選ぶことです。

選択肢を見てみましょう。

  • ア ASP、ウ SaaSはソフトウェアの提供形態です。自社の物理サーバを設置する場所を提供するサービスではありません。
  • イ BPOは業務プロセスのアウトソーシングです。これもサーバ設置とは関係ありません。
  • エ ハウジングは、データセンターの設備(サーバを置くためのラック、電源、空調、ネットワーク回線など)を借りて、そこに自社所有のサーバ機器を設置・運用するサービスです。これは問題文の要件にぴったり合致します。

したがって、正解はエ ハウジングです。

ハウジングサービスとは

ハウジングサービスとは、データセンター事業者が提供するサービスの一つで、顧客のサーバ機器を預かり、安全な環境で運用できるようにするものです。具体的には、耐震・耐火構造の建物、安定した電力供給、高性能な空調設備、高速インターネット回線、厳重なセキュリティシステムなどを備えたデータセンターのスペース(ラック単位など)を顧客に貸し出します。

このサービスを利用することで、企業は自社でデータセンターを建設・維持する手間やコストを省きつつ、専門性の高い施設でサーバを運用することができます。サーバ機器自体は顧客の所有物であり、その管理や運用も基本的には顧客が行います。

なぜハウジングがシステム障害対策に適切なのか

問題文では「自然災害などによるシステム障害に備えるため」「自社のバックアップサーバを設置したい」とあります。このような災害対策(BCP: 事業継続計画やDRP: 災害復旧計画の一部)において、ハウジングサービスは非常に有効な手段です。

  1. 地理的分散: 自社拠点とは地理的に離れた場所にバックアップサーバを設置することで、大規模な災害が発生しても、主要拠点とバックアップ拠点の両方が同時に被災するリスクを低減できます。
  2. 物理的安全性: ハウジングサービスを提供するデータセンターは、災害対策(耐震、防火、停電対策など)が施された専用施設であり、自社で同レベルの安全性を確保するよりも効率的かつ確実です。
  3. 自社でのコントロール: サーバ機器自体は自社の所有物であるため、既存のシステム構成やセキュリティポリシーに合わせて自由に構成・運用できます。これは、特定のソフトウェアやインフラに縛られない柔軟な災害対策を可能にします。

これらの理由から、自社のハードウェアをコントロールしつつ、安全な遠隔地にバックアップ環境を構築したい場合に、ハウジングサービスは最適な選択肢となります。

その他の選択肢が適切でない理由

この問題では、ITサービスの種類と、それぞれが提供する価値の違いを理解しているかが問われています。

ASP(Application Service Provider)とSaaS(Software as a Service)

  • ASPは、アプリケーションソフトウェアをインターネット経由で提供するサービス提供事業者を指す言葉でしたが、現在は同様のサービスを指す言葉としてSaaSがより広く使われています。
  • SaaSは、ソフトウェアの機能自体をサービスとして提供する形態です。ユーザーはインターネットを通じてソフトウェアを利用するだけで、そのソフトウェアが稼働するサーバやインフラについて意識する必要はありません。例としては、Gmail、Salesforce、Microsoft 365などが挙げられます。
  • これらは「ソフトウェアを利用する」サービスであり、「自社のサーバを設置する場所」を提供するものではありません。

BPO(Business Process Outsourcing)

  • BPOは、企業が特定の業務プロセス全体を外部の専門業者に委託することです。例えば、経理業務、人事・給与計算業務、コールセンター業務などを丸ごと外部に任せるケースがこれに該当します。
  • これにより、企業はコア業務に集中できる、専門知識を活用できる、コストを削減できるといったメリットがあります。
  • BPOは「業務のアウトソーシング」であり、システムの物理的な設置場所を提供するサービスではありません。

ITパスポート試験におけるITサービスの知識

ITパスポート試験では、現代のビジネス環境においてITサービスがどのように利用されているか、その種類と特徴を理解していることが求められます。特に、クラウドコンピューティングの進展に伴い、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaSといったサービスモデルや、オンプレミス、ハウジング、ホスティングなどのインフラ提供形態の違いは、基礎知識として重要です。

この問題は、自社のITリソースをどのように配置・運用するかという戦略的な視点と、それぞれのサービスが提供する機能やメリットを正確に区別する能力を試すものです。

参考リンク

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