ITパスポート試験 / 平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問24
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平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問24 解説 技術開発ロードマップ

技術開発戦略において作成されるロードマップを説明しているものはどれか。

  1. ア 技術の競争力レベルと技術のライフサイクルを2軸としたマトリックス上に, 既存の技術や新しい技術をプロットする。
  2. イ 研究開発への投資額とその成果を2軸とした座標上に,新旧の技術の成長過程 をグラフ化し,旧技術から新技術への転換状況を表す。
  3. ウ 市場面からの有望度と技術面からの有望度を2軸としたマトリックス上に,自 社が取り組んでいる技術開発プロジェクトをプロットする。
  4. エ 横軸に時間,縦軸に市場,商品,技術などを示し,研究開発の取組みによる 要素技術や求められる機能などの進展の道筋を,時間軸上に表す。 ✓ 正答

解説

技術開発戦略におけるロードマップを説明しているものを選ぶ問題です。ロードマップとは、将来の目標達成に向けた計画や道筋を時間軸に沿って示すものであり、特に「横軸に時間」という要素が重要になります。この特徴に合致する選択肢を探しましょう。

選択肢エは、「横軸に時間、縦軸に市場、商品、技術などを示し、研究開発の取組みによる要素技術や求められる機能などの進展の道筋を、時間軸上に表す」と記述しており、まさにロードマップの定義そのものです。したがって、エが正解となります。

ロードマップとは

ロードマップとは、企業や組織が将来の目標を達成するために、「いつまでに」「どのようなステップで」「何を達成するか」という道筋を時間軸に沿って具体的に示した計画図のことです。特に技術開発においては「技術ロードマップ」と呼ばれ、将来の市場ニーズや製品の進化を見据え、それに必要な要素技術の開発や獲得の計画を明確にします。

技術ロードマップは、一般的に以下のような要素を含んで構成されます。

  • 時間軸(横軸): 短期、中期、長期といった期間で区切り、目標達成までのステップを示します。
  • 市場や顧客ニーズ: 将来的にどのような市場が生まれ、どのような製品やサービスが求められるかを示します。
  • 製品やサービス: 市場ニーズに応えるために、どのような製品やサービスをいつまでに提供するかを示します。
  • 要素技術: 製品やサービスの実現に必要な基盤技術や応用技術の開発計画を示します。
  • リソースやマイルストーン: 技術開発に必要な人材や予算、中間目標なども盛り込まれることがあります。

これらの要素を一枚の図にまとめることで、組織全体の方向性を明確にし、関係者間で共通認識を持つことができます。

企業がロードマップを作成する目的とITパスポートにおける意義

企業がロードマップを作成する主な目的は、将来の不確実性に対応しながら、戦略的な意思決定を行い、限られた経営資源を効率的に配分することにあります。

  • 方向性の明確化: 将来のビジョンや目標を具体化し、関係者全員が目指すべき方向を共有できます。
  • 経営資源の最適配分: どの技術にいつ、どれくらいの投資を行うべきか、人材をどのように配置すべきかといった判断基準となります。
  • 研究開発の効率化: 無駄な重複研究を避け、優先順位の高い技術開発に集中できます。
  • 外部との連携: サプライヤーや顧客、提携企業などに対し、自社の技術開発の方向性を示すことで、協力関係を築きやすくなります。
  • リスク管理: 将来の技術トレンドの変化や競合の動向を見据え、計画を柔軟に調整する基盤となります。

ITパスポート試験でこの知識が問われるのは、企業が競争力を維持・向上させる上で、技術戦略の立案が極めて重要だからです。IT技術は企業の事業戦略と密接に結びついており、効果的な技術開発戦略なしには、企業の成長は望めません。ロードマップは、この技術戦略を具体化し、実行するための基本的なツールとして、ビジネスパーソンが理解しておくべき概念とされています。

他の選択肢が示す分析手法

他の選択肢は、ロードマップとは異なる目的や手法の分析を示しています。

  • ア 技術の競争力レベルと技術のライフサイクルを2軸としたマトリックス: これは、自社技術の現状評価や投資ポートフォリオを決定する際に用いられる分析手法です。それぞれの技術がどの段階にあるか(導入期、成長期、成熟期、衰退期など)と、競合との比較における競争力を評価し、今後の投資や撤退の判断材料とします。時間軸での進展計画を示すものではありません。
  • イ 研究開発への投資額とその成果を2軸とした座標: これは、投資対効果の分析や、S字カーブなどで示される技術の成長曲線を評価する際に用いられます。過去の投資がどれだけの成果を生み出したか、あるいは今後どれくらいの投資でどれくらいの成果が見込めるかを分析するもので、将来の進展計画そのものではありません。
  • ウ 市場面からの有望度と技術面からの有望度を2軸としたマトリックス: これは、新規事業や技術開発プロジェクトの評価によく用いられる手法です。市場の魅力度や参入のしやすさ、技術的な実現可能性や優位性などを評価し、どのプロジェクトに注力すべきかを判断する際の基準となります。これも時間軸での具体的な開発計画を示すものではありません。

これらの手法も企業戦略において重要な役割を果たしますが、ロードマップのように「将来の道筋を時間軸で描く」という目的とは異なります。

参考リンク

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