平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問43 解説 プロジェクト進捗管理
10か月で完成予定のソフトウェア開発プロジェクトにおいて,投入人数及び月末 時点での進捗は表のとおりである。プロジェクトの立ち上がりで効率が悪かったこ とから,5月末時点の進捗が計画の50%に対して40%であった。4月以降の生産性が 維持できるとすると,開発期限厳守のためには6月以降に必要な追加人員は最低何人 か。ここで,追加人員の生産性は,既に投入済みの人員の4月以降の生産性と同じと する。
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- 2 ✓ 正答
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解説
この問題は、プロジェクトの進捗状況から生産性を算出し、目標達成に必要な人員を導き出す能力を問うものです。
まず、解き方から見ていきましょう。
問題の解き方
4月以降の月間進捗率(生産性)を把握します。 表を見ると、4月末時点の進捗実績は30%、5月末時点の進捗実績は40%です。 この1ヶ月間(4月から5月)で、 の進捗がありました。 この間、投入人数は10名でしたので、10名の人員で月に10%の進捗を達成できる生産性であることがわかります。
開発期限までに必要な残りの進捗率と期間を特定します。 プロジェクト全体の進捗目標は100%です。5月末時点で進捗実績は40%ですので、残りは の進捗が必要です。 開発期限は10月末であり、5月末時点から残りの期間は6月、7月、8月、9月、10月の5ヶ月間です。
残りの期間で毎月達成すべき進捗率を算出します。 必要な進捗率60%を、残りの5ヶ月間で達成しなければなりません。 したがって、毎月達成すべき進捗率は となります。
毎月12%の進捗を達成するために必要な総人員数を計算します。 ステップ1で求めた生産性(10名で月10%の進捗)を基に、月12%の進捗に必要な人員を計算します。 必要な人員数を 名とすると、比率を使って以下のように求められます。 つまり、6月以降は毎月12名の人員が必要となります。
追加人員数を算出します。 現在の人員は10名であり、必要な人員は12名です。 したがって、追加で必要な人員は となります。
以上の計算から、正解は 2 名です。
プロジェクト管理における進捗と生産性
この問題は、ITパスポート試験で問われるプロジェクトマネジメントの基礎知識、特に「進捗管理」と「リソース管理」の考え方に基づいています。
進捗管理の重要性
プロジェクトは、計画通りに進むとは限りません。プロジェクトの立ち上がりで効率が悪かったり、予期せぬトラブルが発生したりすることで、計画と実績に乖離が生じます。この乖離を早期に発見し、対策を講じるのが進捗管理の役割です。問題文では「5月末時点の進捗が計画の50%に対して40%であった」と、すでに遅延が発生している状況が示されています。
生産性の把握と人員計画
プロジェクトを計画通りに完了させるためには、現状の生産性を正確に把握し、残りの作業量を残りの期間で達成するための適切なリソース(人員、時間、予算など)を投入する必要があります。この問題では、過去の実績データ(4月と5月の進捗)から現在の生産性(10名で月10%の進捗)を算出し、それに基づいて未来に必要な人員を推定しました。
「4月以降の生産性が維持できる」「追加人員の生産性は、既に投入済みの人員の4月以降の生産性と同じ」という条件は、計算を単純化するためのものです。実際のプロジェクトでは、人員を追加したからといって単純に生産性が比例するわけではない、という「ブルックスの法則(人月の神話)」のような考え方も存在しますが、ITパスポート試験では通常、問題文の指示通りに素直に計算して構いません。
この知識が役立つ場面
このような計算は、現実のプロジェクト現場で日常的に行われます。
- 遅延発生時の対策検討: プロジェクトが遅れている場合に、「このままの人数で進めるといつ終わるのか」「期限を守るには何人増やせば良いのか」といった判断材料になります。
- 要員計画の策定: 新規プロジェクトを立ち上げる際、必要な作業量と期間から、どれくらいの人員が必要になるかを見積もる基礎となります。
- コスト管理: 人員計画は、プロジェクトの人件費に直結するため、予算管理の観点からも非常に重要です。
ITパスポート試験において、このように具体的な数値を扱って計画を立てる問題は、単なる知識の有無だけでなく、論理的な思考力や問題解決能力を試す意図があります。プロジェクト管理者になったつもりで、与えられた情報から最適な解決策を導き出す練習をしておきましょう。