平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問76 解説 OSSの定義
OSS (Open Source Software) に関する記述のうち, 適切なものはどれか。
- ソースコードに手を加えて再配布することができる。 ✓ 正答
- ソースコードの入手は無償だが, 有償の保守サポートを受けなければならない。
- 著作権が放棄されているので, 無断で利用することができる。
- 著作権を放棄しない場合は, 動作も保証しなければならない。
解説
OSS(オープンソースソフトウェア)の過去問解説
問題の解き方
この問題は、OSS(オープンソースソフトウェア)の基本的な特徴を理解しているかが問われています。選択肢を一つずつ吟味し、OSSの定義に合致するかどうかを判断していくことで正解にたどり着けます。特に、「ソースコードの公開」「自由な利用・改変・再配布」といったOSSの核となる概念を思い出すことが重要です。
OSS(オープンソースソフトウェア)とは
OSSは、その名の通り「オープンソース」のソフトウェアです。これは、ソフトウェアの「ソースコード」(人間が読んで理解できる、コンピュータプログラムの設計図にあたるもの)が公開されており、誰でも自由に閲覧、利用、改変、そして再配布することができるという特徴を持っています。
ソースコードの公開と自由な利用
OSSの最大のメリットは、ソースコードが公開されていることです。これにより、開発者はソフトウェアがどのように作られているかを理解できますし、必要であればそのソースコードを改変して、自分の目的に合ったソフトウェアを作り出すことも可能です。例えば、あるOSSの機能を追加したり、バグを修正したりといった改変ができます。
そして、改変したソースコードや、そのままのOSSを、他の人々に配布することも許可されています。これは、OSSが社会全体の技術発展に貢献することを目的としているからです。
ライセンスに基づいた利用
しかし、「自由に利用できる」といっても、全く無制限というわけではありません。OSSには必ず「ライセンス」が付帯しています。このライセンスは、OSSの配布元が定めた利用規約のようなもので、どのような条件でソフトウェアを利用、改変、再配布できるかが明記されています。
例えば、「改変したソースコードも公開しなければならない(コピーレフト)」という条件を定めたライセンス(GPLなど)や、「改変したソースコードを公開する必要はない」というライセンス(MITライセンス、Apacheライセンスなど)があります。
選択肢の吟味
では、このOSSの定義を踏まえて、各選択肢を見ていきましょう。
「ソースコードに手を加えて再配布することができる。」 これはOSSの最も重要な特徴の一つです。ソースコードが公開されているからこそ、手を加えて(改変して)再配布することが可能です。したがって、これは適切な記述です。
「ソースコードの入手は無償だが, 有償の保守サポートを受けなければならない。」 OSSのソースコードの入手は無償であることが多いですが、「有償の保守サポートを受けなければならない」という義務はありません。保守サポートは、必要であれば任意で有償のものを受けることはできますが、OSSそのものを利用する上で必須ではありません。
「著作権が放棄されているので, 無断で利用することができる。」 OSSの著作権は放棄されていません。著作権は作者に帰属しますが、ライセンスによって一定の条件下での利用が許可されているのです。無断での利用は著作権侵害にあたる可能性があります。
「著作権を放棄しない場合は, 動作も保証しなければならない。」 OSSのライセンスでは、通常、ソフトウェアの動作保証は行わないという免責事項が含まれています。作者が著作権を放棄していないとしても、動作を保証する義務を負うわけではありません。
実践的な活用:OSSの活用場面
OSSは、私たちの身の回りの様々な場面で活用されています。
- Webサーバー: Apache HTTP ServerやNginxは、世界中で広く使われているOSSのWebサーバーです。
- オペレーティングシステム: Linuxは、サーバーだけでなく、スマートフォン(Android)や組み込みシステムなど、多岐にわたって利用されているOSSのOSです。
- データベース: MySQLやPostgreSQLは、多くのWebサイトやアプリケーションで使われているOSSのデータベースです。
- プログラミング言語: Python, Java, PHPなどもOSSとして開発・配布されています。
- 開発ツール: Git(バージョン管理システム)やVS Code(統合開発環境)などもOSSです。
これらのOSSを利用することで、企業や個人は開発コストを抑え、迅速にシステムを構築することができます。また、世界中の開発者コミュニティによって日々改善が進められているため、最新の技術を取り込みやすいというメリットもあります。
ITパスポート試験では、OSSの利用が一般的になっている現状を踏まえ、その基本的な仕組みや特徴を理解しておくことが求められます。