平成28年度 春期 ITパスポート試験 問10 解説 ソフトウェアライフサイクル
図のソフトウェアライフサイクルを,運用プロセス,開発プロセス,企画プロセス,保守プロセス,要件定義プロセスに分類したとき,aに当てはまるものはどれか。ここで,aと網掛けの部分には,開発,企画,保守,要件定義のいずれかが入るものとする。
- ア
- イ ✓ 正答
- ウ
- エ
解説
この問題は、ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)の標準的な順序を理解していれば即座に解けます。
解き方
ソフトウェアライフサイクルは、システムが生まれてから役割を終えるまでの流れを標準化したものです。その正しい順序は、企画→要件定義→開発→運用→保守の順番です。
問題の図は、左から右へ順にプロセスが並んでいます。「運用」プロセスの左隣(つまり、運用の直前)に来るのは「開発」プロセスです。したがって、左端の「a」には、全体の最初である「企画」プロセスが入ります。
ソフトウェアライフサイクルプロセスの重要性
情報システムの開発は、いきなりプログラムを書き始めるわけではありません。「どのようなシステムが必要か」という目的を定め、「どんな機能が必要か」を具体化し、それから「実際に作り」、完成したものを「日常的に動かし」、必要に応じて「修正や機能追加を行う」という段階を踏みます。
この一連の流れを「プロセス」として定義することで、以下のようなメリットが生まれます。
- 品質管理の向上:各段階で何を行うべきかが明確になるため、手戻りや品質低下を防げます。
- コストとスケジュールの見える化:それぞれの工程に必要な人員や期間を予測しやすくなります。
- コミュニケーションの円滑化:開発者や利用者、管理者が同じ言葉で現在の進捗状況を共有できます。
実務での活用
システムエンジニアとして働く際、この知識は非常に重要です。例えば、ユーザーから「今の画面をもっと使いやすくしたい」という要望が出た場合、それが「運用中の軽微な修正(保守)」に当たるのか、それとも「新しい機能を追加する開発」に当たるのかを判断しなければなりません。
また、大規模なシステム開発の現場では、企画や要件定義の段階で不備があると、後の開発や運用フェーズで莫大な修正コストがかかってしまいます。ITパスポートでこの流れを学ぶことは、単なる暗記ではなく、システム開発全体を俯瞰し、各工程の責任と役割を理解する土台を作ることに繋がります。