平成28年度 春期 ITパスポート試験 問11 解説 CRMの目的と情報
CRMに必要な情報として,適切なものはどれか。
- ア 顧客データ,顧客の購買履歴 ✓ 正答
- イ 設計図面データ
- ウ 専門家の知識データ
- エ 販売日時,販売店,販売商品,販売数量
解説
CRMという言葉が指す「顧客関係管理」の定義を思い出し、それが顧客との関係性を重視する手法であることを判断根拠にします。選択肢の中で「顧客一人ひとりの情報」に焦点を当てているものを選べば正解にたどり着けます。
CRM(顧客関係管理)とは何か
CRMはCustomer Relationship Managementの略で、日本語では顧客関係管理と訳されます。単にモノを売って終わりにするのではなく、顧客の情報をデータベースで一元管理し、その顧客が何を求めているのか、過去にどのような商品を購入したのかを分析することで、一人ひとりに合わせた最適なサービスを提供するための戦略です。
この手法を用いることで、企業は顧客満足度を向上させ、リピーターを増やし、最終的に収益を最大化することを目指します。そのためには、顧客の氏名や住所、年齢といった基本的なデータに加え、過去にいつ、何を、どれくらい買ったかという「購買履歴」が極めて重要な資源となります。
なぜ他の選択肢は不適切なのか
選択肢のイ、ウ、エを見ると、これらはCRM以外の目的で管理されるデータであることがわかります。
設計図面データは製品開発や製造のためのデータであり、CRMの範疇ではありません。専門家の知識データは、ナレッジマネジメントやエキスパートシステムといった領域で活用されるものです。また、販売日時や販売商品などのデータ(選択肢エ)は、販売実績や在庫管理を行うPOSシステム等のデータとしては正しいですが、それ単体では個々の顧客と結びついていないため、CRMの定義からは一歩離れます。
CRMの目的は「顧客との関係を深めること」にあるため、誰がその商品を買ったのかという「顧客個人を特定するデータ」と「その行動履歴」がセットになっている必要があるのです。
ビジネス現場での活用
実際の現場では、CRMシステムに蓄積されたデータを基に、個別のメルマガ配信やキャンペーン案内が行われています。たとえば、過去にスポーツウェアを購入した顧客に対し、新商品のランニングシューズを優先的に案内したり、誕生日月に特別な割引クーポンを送付したりするといった施策がこれにあたります。
ITパスポート試験では、CRM以外にもSFA(営業支援システム)やERP(企業資源計画)など、特定の目的を持つ経営手法やシステムが登場します。それぞれの用語が「誰のために、何のために存在するのか」を意識しておくと、迷わずに解答できるようになります。