平成28年度 春期 ITパスポート試験 問18 解説 生産計画の最適化
組立生産される製品W, X, Y, Zの1個当たりの利益, 1個当たりの組立作業時間, 組立作業1分当たりの利益, 1週間の最大生産可能数は表のとおりである。1週間の利 益を最大にするように生産計画を立てるとき, 製品Zの生産個数は幾つか。ここで, 1週間の総組立作業時間は40時間であり, 製品W, X, Y, Zの全てを生産する必要は なく, 同時には一つの製品しか組立生産できないものとする。
- ア 0
- イ 8
- ウ 20 ✓ 正答
- エ 45
解説
この問題は、限られたリソース(組立時間)をいかに効率よく使い、利益を最大化するかという「最適化問題」の一種です。以下の手順で解き進めます。
- 各製品の「単位時間当たりの利益」を比較し、高い順に優先順位をつける。
- 優先順位が高い製品から順に、最大生産可能数まで生産枠を割り当てる。
- 残りの時間を使い、次の優先順位の製品を可能な限り生産する。
生産計画の立案手順
表から、組立作業1分当たりの利益は以下の通りです。
- 製品Y: 千円/分
- 製品W: 千円/分
- 製品Z: 千円/分
- 製品X: 千円/分
1週間の総作業時間は 時間= 分です。この時間を利益効率の良い順に割り振ります。
製品Y(利益効率1位): 最大の 個を生産。 必要な時間は 分です。 残りの時間は 分。
製品W(利益効率2位): 最大の 個を生産。 必要な時間は 分です。 残りの時間は 分。
製品Z(利益効率3位): 残り時間で生産可能な分だけ生産。 製品Zは 個あたり 分かかるため、 分で生産できる個数は 個です。 製品Zの最大生産可能数は 個ですが、時間制限により 個しか生産できません。
したがって、製品Zの生産個数は 個となります。
限界利益と最適化の考え方
この問題で使っている「単位時間当たりの利益」という考え方は、ビジネスの現場では「限界利益」や「スループット」の概念に通じます。すべての経営資源(時間、人、設備)は有限であるため、常に「最も効率よく利益を生み出せるもの」に優先的に資源を投入することが、全体利益を最大化する鉄則です。
例えば製造業において、特定の機械がボトルネック(作業を遅らせる原因)となっている場合、その機械を使ってどの製品を優先的に流すべきかを判断する際に、この考え方が不可欠です。限られた資源をどこに振り向けるかという意思決定は、ITパスポートの出題範囲である「経営戦略」や「オペレーションマネジメント」において非常に重要なトピックです。
学びの活用
このような数理的なアプローチは、コンピュータによるシステム開発の見積もりや、プロジェクト管理にも応用できます。限られた開発工数の中で、どの機能を先に実装すれば最大の価値(ユーザー満足度や収益)が得られるかを判断する「優先順位付け」の論理的根拠を養うことができます。