平成28年度 春期 ITパスポート試験 問70 解説 サブネットマスクの役割
サブネットマスクの役割として,適切なものはどれか。
- IP アドレスから Ethernet 上の MAC アドレスを割り出す。
- IP アドレスに含まれるネットワークアドレスと,そのネットワークに属する個々のコンピュータのホストアドレスを区分する。 ✓ 正答
- インターネットと内部ネットワークを中継するときのグローバル IP アドレスとプライベート IP アドレスを対応付ける。
- 通信相手先のドメイン名と IP アドレスを対応付ける。
解説
サブネットマスクの役割を見抜くポイント
サブネットマスクは、IPアドレスというひとまとまりの数字の中に隠された「住所の境界線」を明確にするための役割を持ちます。この問題の正解を導くには、「IPアドレスはネットワーク部とホスト部で構成されている」という基本知識を思い出すことが重要です。
各選択肢は、ネットワークにおける主要な技術の機能説明となっています。サブネットマスクと混同しやすい技術と対比させながら整理しましょう。
IPアドレスの構造とサブネットマスクの役割
IPアドレス(IPv4)は、32ビットの数字で構成されています。これだけでは、どこまでが所属する組織やグループを示す「ネットワークアドレス」で、どこからがその中の具体的な端末を示す「ホストアドレス」なのかをコンピュータが判別できません。
そこで使われるのがサブネットマスクです。サブネットマスクは、IPアドレスと同じ長さ(32ビット)のビット列で、「どの部分がネットワーク部か」を1、「どの部分がホスト部か」を0として指定します。
例えば、IPアドレスとサブネットマスクを論理積(AND演算)にかけることで、端末は「自分と同じネットワークにいる相手なのか」あるいは「ルータを経由して外部と通信すべきなのか」を即座に判断します。この論理的な境界線がなければ、ネットワーク内でのデータ配送が正しく行われません。
混同しやすいネットワーク技術との違い
今回の選択肢に登場する他の技術についても整理しておくと、試験本番で迷わなくなります。
・IPアドレスからMACアドレスを割り出す:これはARP(Address Resolution Protocol)の役割です。ネットワーク層のIPアドレスを、物理層(Ethernet)で通信するために必要なMACアドレスに変換します。
・グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを対応付ける:これはNAPT(またはIPマスカレード)と呼ばれる機能です。ルータが行う変換処理であり、NATとも呼ばれます。
・ドメイン名とIPアドレスを対応付ける:これはDNS(Domain Name System)の役割です。人間が覚えやすいドメイン名を、コンピュータが理解できるIPアドレスに変換します。
これらの機能はすべてネットワーク通信に不可欠ですが、役割は明確に分かれています。サブネットマスクは「範囲を区切るためのもの」、DNSは「名前を解決するもの」というように、機能と役割をセットで記憶しておきましょう。
実務や学習での重要性
ネットワーク構築やトラブルシューティングにおいて、サブネットマスクの理解は必須です。例えば、会社で部署ごとにネットワークを分けたり、自宅のWi-Fiルータがなぜ「192.168.1.xxx」という形式でIPを割り振るのかという仕組みも、サブネットマスクの知識で説明がつきます。試験合格後、実務でクラウドサービス(AWSのVPC設定など)を触る際にも、この「ネットワーク部とホスト部の分割」という考え方がすべての基礎となります。