平成29年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問25 解説 経営戦略の定義
問25 次の事例が該当する,最も適切な用語はどれか。 “継続的成長を達成するために,売上が低迷している事業領域 A から撤退し,その経営資源を事業領域 B を強化するために投入する。”
- ア 経営環境
- イ 経営戦略 ✓ 正答
- ウ 経営ビジョン
- エ 経営理念
解説
問題文にある「経営資源(ヒト・モノ・カネ)をどこへ投入し、どの事業から引き揚げるか」といった意思決定は、企業が競争に勝ち抜き、目的を達成するための具体的な「設計図」を指しています。この「将来に向けた資源配分の計画」という点が、経営戦略を特定する根拠となります。
経営戦略とは、企業が目標(ゴール)を達成するために、自社の強みを活かしてどのような土俵で戦うか、限られた経営資源をどう分配するかを定めた中長期的な計画です。今回のケースのように、既存事業の撤退(選択)と成長領域への集中(集中)を行うことは、まさに経営戦略の基本である「選択と集中」そのものです。
他の選択肢について整理しておきましょう。
経営環境とは、企業を取り巻く外部状況(景気、市場の動向、法規制など)のことです。これらは企業がコントロールしにくい「前提条件」であり、経営戦略を立てるために分析する対象となります。
経営ビジョンは、企業が将来的にどうありたいかという「目指す姿」です。「IT業界で日本一の企業になる」といった抽象度の高い未来像を指します。
経営理念は、企業の根本的な「価値観」や「存在意義」です。創業者の想いや、企業が社会に対して何を約束するのかといった非常に精神的な軸となります。
実務や試験問題において、これらは「ピラミッド構造」で整理すると分かりやすくなります。経営理念(我々は何のために存在するのか)が土台にあり、それを実現するための姿が経営ビジョン(どんな状態になりたいか)、そしてそのビジョンを達成するための具体的な道筋が経営戦略となります。問題文が「どう動くか(資源配分や撤退)」というアクションに焦点を当てていれば、それは経営戦略を選べば間違いありません。
- 経済産業省:経営デザインシートの活用ガイダンス