平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問6 解説 制約理論(TOC)
一連のプロセスにおけるボトルネックの解消などによって,プロセス全体の最適 化を図ることを目的とする考え方はどれか。
- ア CRM
- イ HRM
- ウ SFA
- エ TOC ✓ 正答
解説
この問題は、「ボトルネック」というキーワードを見つけるだけで即答できます。一連の作業工程(プロセス)の中で、最も効率を下げている箇所を特定し、そこを重点的に改善することで全体の生産性を最大化しようとする考え方をTOCといいます。
TOC(Theory of Constraints:制約理論)の考え方
TOCは日本語で制約理論と訳されます。どんなに高性能な機械や優秀な作業員がいても、全体の生産量は必ず一番スピードの遅い工程(ボトルネック)に引きずられてしまいます。
例として、3つの工程(A→B→C)がある工場を想像してください。 ・工程A:1時間で100個処理できる ・工程B:1時間で10個しか処理できない(ボトルネック) ・工程C:1時間で100個処理できる
この場合、工場全体としては1時間あたり10個しか出荷できません。どれだけ工程Aと工程Cを強化しても、工程Bが改善されない限り、全体の生産量は10個のままです。TOCでは、このように全体最適を阻害している「制約条件(ボトルネック)」を見つけ出し、そこを徹底的に改善することで、組織全体の成果を最大化することを目指します。
他の選択肢について
選択肢にある他の用語もITパスポート試験で頻出です。これらは目的が異なります。
ア CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理) 顧客の属性や購入履歴などの情報を一元管理し、良好な関係を築くことで、顧客満足度やリピート率を高める手法です。
イ HRM(Human Resource Management:人的資源管理) 従業員を「資源」と捉え、採用、配置、育成、評価を最適に行うことで、企業価値を高める管理手法です。
ウ SFA(Sales Force Automation:営業支援システム) 営業活動のプロセスをデジタル化・可視化し、効率的に売上を上げるためのシステムです。個々の営業担当者の活動を支援するツールといえます。
学習のポイントと活用場面
この問題の意図は、木を見て森も見る視点、つまり「部分最適」ではなく「全体最適」という視点を理解しているかを問うことにあります。
実務においては、ITの導入を検討する際によく活用されます。例えば、新しいシステムを導入したものの、入力担当者のスキルがボトルネックとなっていて全体の効率が上がらない、といったケースはよくあります。そのような時に、単にシステムを導入するだけでなく、TOCの考え方を用いて「どこが真のボトルネックなのか」を見極めることが、成功するIT活用の第一歩となります。
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