ITパスポート試験 / 平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 / 問7
certification-simodake-work

平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問7 解説 エンタープライズアーキテクチャ

エンタープライズアーキテクチャ(EA)の説明として,最も適切なものはどれか。

  1. ア 企業の情報システムにおいて,起こり得るトラブルを想定して,その社会的影響などを最小限に食い止めるための対策
  2. イ 現状の業務と情報システムの全体像を可視化し,将来のあるべき姿を設定して,全体最適化を行うためのフレームワーク ✓ 正答
  3. ウ コスト,品質,サービス,スピードを革新的に改善するために,ビジネス・プロセスを考え直し,抜本的にデザインし直す取組み
  4. エ ソフトウェアをサービスと呼ばれる業務機能上の単位で部品化し,それらを組み合わせてシステムを柔軟に構築する仕組み

解説

EA(Enterprise Architecture)という用語が出てきたら、迷わず「全体最適化」というキーワードを探してください。ITパスポート試験では、EAは「組織全体の業務とシステムを整理し、あるべき姿へ導くための設計図(フレームワーク)」として出題されます。

EAの目的は、企業全体の業務とシステムを、経営の視点から俯瞰(ふかん)して見直すことにあります。企業という大きな組織において、部門ごとにバラバラなシステムを導入してしまうと、情報の連携ができなかったり、重複した投資が発生したりする「部分最適」の状態に陥ります。これを防ぐために、以下の4つの階層(アーキテクチャ)に分けて整理し、全体として効率の良い姿を目指します。

  1. ビジネスアーキテクチャ(BA):どのような業務を行うのか
  2. データアーキテクチャ(DA):どのようなデータを活用するのか
  3. アプリケーションアーキテクチャ(AA):どのようなシステム機能を使うのか
  4. テクノロジアーキテクチャ(TA):どのようなコンピュータやネットワーク技術を使うのか

試験では、この4つの階層を整理して「現状(As-Is)」から「あるべき姿(To-Be)」へ変えていくというプロセスが問われます。

この知識は、単に試験のための用語というだけでなく、組織の中で働く際の視点を養うものです。例えば、部署異動をした際に「なぜこのシステムを使っているのか」「この業務はなぜ必要なのか」といった疑問を持ったとき、EAの視点を持つと、個別の業務が組織全体の目的とどう繋がっているのかが見えてきます。DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる現代において、組織の全体像を理解し、効率化を考えることは、あらゆるビジネスパーソンに求められる基礎的な思考法といえます。

なお、他の選択肢も重要な用語です。選択肢ウの「BPR(Business Process Reengineering)」は、業務の流れを抜本的に作り変えること、選択肢エの「SOA(Service Oriented Architecture)」は、機能を部品のように組み合わせてシステムを作る考え方を指します。これらはEAと混同されやすいため、セットで覚えておくと得点源になります。

総務省|エンタープライズ・アーキテクチャ(EA) ITパスポート試験ドットコム|エンタープライズアーキテクチャ IPA 情報処理推進機構|DX時代のエンタープライズアーキテクチャ

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう